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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第4章 転移の真実

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227.毛織物

もう少しで今日が終わる、筈…

 みんなで楽園に移動する。楽園って恥ずかしいから嫌なんだけど、ハクが言い出したからみんなが追随してしまってもう、薬草園とか言ってもあぁ楽園なって返されるから諦めた。


 そこはもう日が沈んだのになんか明るい。そう、妖精たちの光だ。蛍みたいできれいだけどね、危ないから隠蔽で他からは見えないようにしてるよ。

 だってさ、私の所に来てくれたから。安全でいて欲しいしね。ロリィがね、闇商人とかが妖精を捉えることがあるって聞いて。

 温泉はハクの縄張りだから入れないけどここは入れるからね。

 最もこの辺りは主要な街道からは少し入った所だから、白の森に行く人以外は普通は通らない。でも念には念をね。


 明るい楽園にはイズワットの女性が3人とベル兄様とキャロライン様がすでにいた。

 イズワットの3人は腕を重ね合わせて頭を下げる。どうやら目上の人、エリに対する挨拶みたいだ。

「アイルに対してもロルフリート様に対しても、だよ」

「?」

「仲間を救ってくれた恩人だから」

 私は大したことしてないけど。首を傾げていると

「イーリス、アイル良く来たね!ロルフ様もエリアスも」

 ベル兄様が話しかける。この人は場を和ませるのが上手だな。

「「ベル兄様こんばんは」」

 ささっと寄ってくるとイリィを抱きしめてキスをし、私を抱きしめてやはりキスをする。むちゅうって自分で言いながらは恥ずかしいです…。


 ん?って顔をしたベル兄様は

「もっと?」

 いやいや、一言も言ってませんよ?

 照れちゃって…って頬を撫でられたところでイリィが助けてくれた。

「ベル兄!」

「なあに?」

 可愛いな、もう。儚げなんだけどね、見た目は。

「ベル、時間もあるからそれくらいにしなさい。アイル、ごめんなさいね。もう…はじめて下さいな」

 エリが頷くと

「毛織物を特産品として、取引したい。ここで生活するのに必要なお金を稼ぐ為。そして模様には私たちの伝統的な文様を使う」

 そう言ってエリが取り出したのはワッペンだ。服に付ける用の手のひらサイズ。

 お試しでいくつか作ってみた。色使いとかはまたイズワット独特なものがあるだろうからね。取り敢えず、図案だけ。

 ワッペンには羊と雪の結晶が角に入っている。エリの服を見て似た感じに作ってみた。背景の糸には横糸に色々な色が使われている。派手では無くで、どれも落ち着いた色だ。


「「「!!」」」

 イズワットの女性たちはそれを見て口元を押さえる。目には涙が溜まり零れ落ちた。

「私たちの伝統の色使い…」

「羊と雪の結晶…」

 その中で1番年上と思われる女性が

「ありがとうございます、エリアス殿下」

 頭を下げる。慌てて残りの2人も頭を下げた。

「私じゃないよ。誰かは言わないけど、我々の伝統を継いで欲しいと言ってくれた。無くしてしまえばもうそこで終わってしまうからと」

「無くしてしまえば」

「終わってしまう」

「そうですね、我らがこの文様を…伝統を繋ぎましょう」

 エリは頷いて

「伝統の織り方を皆さんに伝えて、チェシャ」


 チェシャと呼ばれたのはあの年配の女性。と言っても多分、せいぜい40前後だ。透き通るような肌にシワはあれどきれいな顔の作りの女性だ。

「はい、ではまず材料から…」

 それからは使う色やその組み合わせと具体的に羊毛から毛糸を作る方法についての説明だ。ちなみに羊毛を毛糸にするのは私が作った機械を使う。

 羊毛を伸ばして伸ばして細く細く撚り合わせていく。それを織り機で縦糸に横糸を織り込んでいくのだ。日本の伝統的な織物も確か縦糸に横糸を滑らせて通し、縦糸を交互にして織るんだったと思う。

 そのイメージであってそうだったから(キリウスに確認した)作ってみた。


 チェシャさんによると大変よく出来ているそうだ。

 試しにみんなで毛糸を作り、織ってみる。慣れないと糸が均一にならないから歪んでしまう。でも横糸に色がたくさんあるからそれでも形になると味わい深い。

「アイル、機械を作ってくれてありがとう。何てお礼を言えばいいか…」

「イル、登録がいるよ。非公開でしよう」

「ロリィに任せるよ。でも登録にはエリも入れてな」

「分かった。僕と出来ればリベールにも名前を入れて欲しい」

 ベル兄様は驚いてたけど

「もちろんだよ!」

 ウインクしてた。ロリィが一瞬驚きで動きが止まったのを私は見逃さなかったよ?ふふふっ、可愛いな。


 こうして毛織物についてもひと段落。もっとも売り出しや登録をしに、町には行かないとだけど。それまでにアルミの扉や食器の試作品は渡したいな。聞いたら寒くなると陶器は凍って割れることがあるって。

 だから調理器具だけじゃ無くて食器も少し作ろうかなって。イアンにはお願いしたから明日には見本が出来てるかもな?


「今日はこれで解散だ。遅くまで悪かったな、みんな」

「「「とんでもございません!エリアス殿下」」」

 エリは苦笑すると

「今はもうただの国を亡くした移民だ」

「我らにとっては希望ですよ、エリアス様…どうかその血を残して下さい」

 亡国の王家の血筋…凄く難しい問題だな。密かに…なら大丈夫なんだろうか?

 その時、エリアスが熱い眼差しをアイルに送っている事を彼は知らなかった。

 イズワットの想いは深く強いのだ。


 やっと今日やりたい事が全て終わってロリィの屋敷に帰った。そこで普段なら解散だよ?でもね、ほらお風呂がね。でロリィがさ

「エリアスも知っておくべき」

 って言うから。確かにね、お風呂に自分で入れない2人は一緒に入る訓練?練習が必要だと思うんだ。

 でもイリィの裸は見せたくないし…なんてもじもじしてたら

「エリアスにも知ってもらおう、僕の事」

 だって。でもそれは…

「大丈夫だよ、彼も僕なんて眼中にないから」

 そんな事ないよ、イリィを見たら誰だって好きになる。ロリィだってさ、ほらそのね。イリィと、だし。ロリィは体が反応したとしても気持ちが反応しなければ受け入れない。だからそういう事だし。


「アイ、大丈夫だから」

 渋々頷く。

「だから箱庭のお風呂…」

 ロリィはブレないね?

「あのいらやしい装置も…イルならいいよ」

 頬を染めて言わないで?しかもいやらしいって何?正しく体や髪をきれいに流せるだけの物だよ。

「いやらしい…アイル、君はそんな物まで?」

「ち、違うよ!いやらしくない。便利な道具だよ」

「エリアス、体感して…」

 ゴクリと唾を飲み込むエリ。なんか本当にいやらしい物作ったみたいなのは何で?


「箱庭に移動するから」

「箱庭?」

 頷いて

「エリは初めてだから私に掴まって」

「初めて…優しくして…」

 いや、違うわ!頬を染めて言わないの。そこで2人とも目を逸らさない。もう

「行くよ!」

「待ってまだ心の準備が、すぐにイクのは…」

 皆さん今日は何かピンクデーですかね?はぁぁ。


 シュンッ…目を瞑っていたエリがあれって感じで目を開ける。そして凄く驚いている。まぁ当たり前だよね。

「ここは?」

「箱庭?」

「イル、それでは分からないよ」

「アイの固有空間だよ。普通は収納にしか使えないんだけどね?アイのスキルとか諸々でこんな感じになってる」

「早くお風呂…」

 はいはい、家に上がってねー靴脱いでよ。

 そそ、そこを真っ直ぐうん、その扉を開けたら脱衣所だよ。

 ロリィがすぐに脱ぎ出す。イリィも少し恥ずかしそうに脱ぎ出す。あわあわしているエリの服は私が脱がしていく。イリィは脱ぎ終わって私を脱がしにかかる。エリを脱がせたからロリィを手伝う。

 そしてお風呂場へ。大きく作って正解だな。


 シャワーを出して温度を確認。うん、ちょうどいい。

「エリ、おいで?」

 驚きながらも私のそばに来る。肩から胸、腰へとお湯を浴びせていく。お尻から太もも足首まで。実際には頭から被ればだいたい全身濡れるんだけどね。

 エリが顔を真っ赤にして

「これが、初体験の…うんっ」

 言い方よ、言い方。最後の艶かしい声は何?もう。頭を濡らしてから今度はロリィの全身を濡らす。イリィは他のシャワーで私を濡らして、自分の体にもかける。

「んふっ…」

 ロリィさん、何て声出すのかな?

 よし、濡れたね。では、とエリの頭に髪用石鹸をつけてわしゃわしゃと洗う。耳の後ろまでしっかり洗ってシャワーっとね。次はロリィだ。またわしゃわしゃ洗ってシャワーっとね。


 私の頭はイリィが洗ってくれてるよ?うん、可愛い。きれいな顔が全部見えてるよ?

 次は体だ。体用の石鹸でエリを洗おうとしたらロリィが

「僕が…練習」

 エリ、頑張れ。と思ったら

「イルとイーリスもね?」

「「…」」

 その後のエリは大変だったよ。だってさ、ロリィだよ?

「イズワットの肌の白さは何が理由か…」

 とか呟きながらその肌をそれこそ舐めるように見てる訳で。

「唇の赤さは…肌が白いから際立つ?」

 と言って触って撫でて、自分の舌で舐めて吸って…。エリが置物になってた。そういえばイリィの時もこんな感じだったね?

「舌の色も赤い?」

 今度は舌をエリの口に入れて絡めてたよ。さらに胸もガン見した挙句に触りまくって舐めてました。これは私にもイリィにもしないから、肌の白いエリのにだけ興味があるみたいだ。


 もちろんそれで終わるはずもなく、お股も開かれて色々とね。エリは途中から完全に意識を飛ばしてたよ?

 でもきれいな体だからこそ、かもね。そうじゃなければずっと体を縮こませてただろうから。


 私たちは2人の様子をお湯につかって見てたよ。エリには悪いんだけどさ、全く悪気がないんだよね。

 だってロリィの下腹部は全く反応してないから。それはエリも同じなんだけど。ほんと、不思議くんだよね?

 あ、終わった。ん?次はイリィだって。行ってらっしゃい!


 エリはお疲れ様。ほぐれるよ?

「アイル、僕は何を…」

 記憶飛んでるね。

「ロリィの研究に一役買ってたよ」

 なんだか泣きそうな顔で抱きついて来た。よしよし、慣れないとビックリだよね?大丈夫、旅の間に慣れるよ。きっと。

「エリ、凄くきれいだからね…ロリィも興味が尽きなかったんだよ」


「アイル、あの道具はダメだよ…」

 ん?何で…便利だよ。

「アイルの魔力が感じられて、その…唇で撫でられてるみたいな感じだから」

 えっ…えぇーーー。何それ?ロリィもイリィもいやらしいって言ったのはそれが原因?待っていや、違う。断じて私はそんな変態的な思考を…うわぁ。ちょっとヤバいかも。想像したらなんか色々と体が、熱くなる。

 いかんぞ、これは。すぐになんとかしないと…でもどうやって?そもそもここは私の魔力で維持してる訳で…垂れ流してるの?


 あぉどうしたら…焦っても分からない。えぇーシャワー浴びるたびに頬を染めて目を潤ませるのは困るよ?ただでさえイリィと離れたら寂しいのに。





長くなったので次へ

本当になかなか進みません…



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