226.また発見
忙しくて予定投稿忘れてました…
なかなか1日が終わりません汗
(バナパングラス 星の彼方から降って来た隕石が大地に衝突した際に出来た天然ガラス 大変貴重 小指の先ほどで高品質のダイヤモンド拳大の価値がある
また見つけちゃったね!)
ビクトル、軽いなおい!
…ここはリビアじゃないからリビアングラスじゃ無くてバナパングラスなんだね。
またとんでも無いもんあるな。いいのか?これ。ある意味、ダイヤモンドより貴重だよ。
少し濁りがあるのは衝突による不純物が混ざったからかな?これはそのままの方がいいよな?天然ガラスっぽくて。
量はやっぱり多くないけど点在してるな。よし、これは世に広めないから私だけが採るぞ。せっせと回収だね。かなり散らばってるしもういいかな、この辺で。でもバケツ1杯くらいにはなったかな。
よし、樹脂から早急にあれを作ろう。
さて、他にも何かないかな?光で照らしながら岩壁を見ていく。ん?白い石?と視線が通り過ぎようとしてまた戻る。えっ…色が変わった。
もしかして…
(ハックマナイト ソーダライトの変種 硫黄成分が紫外線を吸収して薄い紫や、濃い紫に変色する性質を持つ
この世界で蓄光して色が変わる石は初
新発見だね!)
ビクトル、軽くないか?だね!じゃないよ。もう、箱庭ですらやり過ぎって言われてるのに。ハックマまで出てきたよ。ヤバいよヤバいよ…。
でもさ、太陽光に当ててから見ると凄くきれいなんだよな。魔力を変換して太陽光もどきにしたらずっとこの色のままかな?
私の魔力を込めて、3ヶ月は紫を維持させるとか。
紫が白っぽくなる前にここに、イリィの元に戻れるように…。あ、なんか泣きたくなってきた。
3ヶ月なんて長いよ。やっぱり1ヶ月にしよう。いや、移動もあるからさすがに無理か…なら2ヶ月。
冬の間は移動できないかもしれないけど、ね。
待つ時間は長いから。イリィの手元に私を置いておくよ。
さて、摂るぞー。ん?何か寒気が…そーっと後ろを振り返る。あかーん。前を向く。何も見えなかった、よ。
岩壁に向かって行くと
「アイ」「イル」
「「何を見つけたの?」」
決定事項として聞かれてるのかな?ゆっくりと振り返る。真顔の2人が私を見ている。
「ビ、ビクトルが…」
「「ビクトルが?」」
「
(ハックマナイト ソーダライトの変種 硫黄成分が紫外線を吸収して薄い紫や、濃い紫に変色する性質を持つ
この世界で蓄光して色が変わる石は初
新発見だね!)
」
「「…どれ?」」
私は指を刺す。そして光をサッと当てた後にじっくりと紫外線を当てる(ジョブで太陽光を照射)。そしてまた光を当てると。
「「!!色が…」」
「イル、凄いよ!」
ロリィがもの凄く興奮してる。珍しいな。
「たくさんある?」
「この辺りにはそれなりにあるかな?」
さっそくロリィが掘り始める。あるね、さぁ私も!
イリィも近くで掘り始める。これであれを作るんだ。ふふふっ。
採った石にロリィが光を当てている。光じゃ無くて紫外線なんだよね。紫外線ライトでも作る?太陽光当ててれば大丈夫だけど。
案の定、紫にならなくてロリィが私を泣きそうな顔で見る。泣くほど?慌てて駆け寄ると
「ロリィ、普通の光ではダメだよ。太陽の光とかね」
「イルはどうやって?」
「ジョブで…」
拗ねたような顔で私を見る。仕方ないな。ロリィのヘッドライトを取ると、手を加える。
「これを横に動かすと特別な光、で戻すと普通の光」
ロリィは何度か切り替えると特別な光を石に当てる。
少ししたら切り替えて普通の光に当てる。紫になった。ごく薄い水色がきれいな紫に。
神秘的だよね。
やり取りを見ていたイリィがヘッドライトを渡してくるので同じく加工して返す。イリィも同じように光を当てる。
「色が違う」
ロリィのは薄い紫でイリィのは少し濃い紫だ。時間なのか、石の特性なのかは分からない。
「色々な場所から掘ると分からなくなるから」
ロリィの言葉に頷いてそれぞれの場所から掘って、後で交換する事にした。
よし、こんなもんかな。
みんな満足したから上に移動する為に坑道の入り口に戻る。そこにはイアンがいて
(アイル様 箱庭にオリハルコンとヒヒイロカネを転送したから)
まぁそれが安全かな。
「イアンたちはどこに住んでるの?」
イアンは俯いて
(空洞で寝てたから…)
じゃあ住む場所はないのか。
「住める場所を近くに作るか?」
イアンは目を輝かせて
(お願い!)
「どんな場所がいい?」
イアンは小さな手で私の手を握るとサファイヤが採れた辺りに進む。
(この辺りに部屋を5つほどと、水場が欲しい)
頷いて壁に手を当てる…この辺りの奥は硬い岩盤だから大丈夫だな。横穴を掘る感じでそこから部屋が枝分かれして、水場もだな。よし、こんな感じが。
洞穴風にして、入り口には木製の扉も付けた。部屋に中には小さな2段ベットをたくさん作って、イアンの為の机も作った。
(お家だ)(お家だ)
(僕たちのお家)
(新しいお家)
(きれいなお家)
(ベットがあるよ)
(お部屋があるよ)
(((ありがとー)))
(アイル様 ありがとう 凄く嬉しい…)
笑顔で飛びついてきたイアンを抱きしめて
「私が帰るまでよろしくな!」
(うん、たくさんヒヒイロカネ採るね!)
「それはほどほどでいいよ?アルミで建具とか調理道具とか作るのを手伝ってな?みんな喜ぶから」
(うん。アイル様 楽器も作れるよ!銅を分けて)
「あぁ、そうだな。じゃあ金管楽器をお願いするよ」
(ラッパみたいな奴?)
「そうだよ」
(アイル様の記憶の楽器なら作れるよ!)
「よろしくな、私は吹けないけど」
イアンたちは家に入っていった。私たちは階段を登って地上に出る。もういい時間だな、陽が沈み始めてる。
「エリ」
倉庫で鉱物を確認していたエリに声をかける。
「早めに夕食を食べて、夜に楽園で毛織物を教えたい」
「キリウスから声をかけておく」
頷いてロリィの屋敷に帰る。居間でリベラの淹れた紅茶を飲む。私は自分のポーチを見る。いけるといいなぁって思いながら。
「毛織物は小物に限定?」
ロリィが聞く。
「毛がたくさん買えるなら敷物とかもいいよね?床が冷えないように」
「量がいるね」
頷く。
「デザインとマークと白蜘蛛の糸があれば後はお任せでいいと思う」
「そうだね…彼らの伝統だし」
「僕も一緒に考えるから」
私は少しズキッとした胸を押さえてイリィを見る。イズワットの民は色白で儚げな整った顔立ちの人が多い。女性だっている。胸が苦しくなる。
「大丈夫だよ…アイ」
私を見ながらイリィが言う。でもイリィはこんなにも魅力的な人で、優しくて温かで。その細くてきれいな指から作られるものはどれも繊細で美しい。顔が見えなくたってその人柄は分かる。きっと誰だって好きになるよ…こんなに素敵なんだから。
溢れそうになる涙を堪えているとイリィが頭を撫でてくれる。私はついに堪えられなくなって涙を溢す。
「どうしたの?」
「だって、私のイリィはこんなにも素敵で。きっとみんな好きになるよ。その細くて長い指から作られる素晴らしい作品だって。何かもがこんなにも素敵で…だから。ぐすっ…うぅ」
「アイ、だからそういう所だよ」
優しく撫でながらキスをしてくれる。
「ねぇ、どれだけ僕のことが好きなの?」
「凄く、だよ…」
知ってるけどね、と笑いながら抱きしめてくれた。しばらく1人でぐずぐずしてたらロリィが
「イーリスは話しなくていいよ。基本はエリアスに対応して貰う」
私は頷く。そうだよ、話とかダメだからね。
「それに、イーリスの母上もいる」
そうだった。キャロライン様がいた。私はようやくホッとして泣き止んだ。
「イル、すぐ夕飯だから…泣かないで」
ロリィにも心配かけてしまった。少し不安定だな、私も。後でハクとナビィをもふりたおそう。
顔を洗浄して髪の毛を整えていると扉が叩かれて
「夕食の用意が整いました」
リベラの声かけがあった。3人で食堂に向かう。そこにはすでにエリとヨナがいてキリウスが給士役で立っていた。
すぐに食事が始まる。スープ、サラダ、前菜に続き、パスタが出てきた。私がソマリに教えたレシピだ。ソースはレモンと岩塩にバジルとローズマリー、さらに鷹の爪だ。爽やかな味にピリッとすると鷹の爪はとてもいいアクセントになる。
「美味しい…」
「爽やかなのに少し辛味もあって口直しにもいいし、とても美味しい」
「あっさりし過ぎないこの味がとても美味しい」
ロリィ、イリィ、エリにも受けたようだ、良かった。パスタはアレンジの幅があるからね!
「イリィが買ってくれた調味料のお陰だよ」
ふふふっ少しでもあれば、私のジョブで作れるからね!
「アイが喜んでくれて、美味しい料理になって良かった」
少し恥ずかしそうに言うイリィが可愛い過ぎる。
そして最後はざ、お肉だ。ステーキだね。ちなみに私は食べる量が少ないから一品一品が少なめ。じゃないと全部食べられないからね!
美味しい夕食を食べ終わるとそのまま食堂で休憩する。
「エリアス、人は?」
「楽園に集めてます。女性が3人と男性も1人、そしてヨナも」
キリウスが答える。
「イリィのお母様は?」
「ベル兄様とお母様が参加する」
そんな話をしてからそろそろかな、とみんなで移動する。
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