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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第4章 転移の真実

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225.ものづくり2

 「違う、いやその完全には違わないけど違うよ」

 チラッと頬を染めた美形が上目遣いで見てくる。だから破壊力…

「違わないんだ…?」

 くぅ、可愛いぞ。

「そ、それはそのイリィのそのきれいな肌を見たいのはね…仕方ないよ。だってこんなに可愛いんだから」

 私まで赤くなってしまう。

 2人で真っ赤になって見つめ合って…自然と唇が触れ合う。

「アイにならいいよ?いつだって…僕を」

 だから私の旦那さんが可愛すぎるー!

「た、大切だからね。自重するよ…離したく無くなる」

「だからアイ、そういう所…僕の方が離れたくないよ」


 私はイリィを抱きしめて

「この国にいる間は離れていても箱庭で会えるから…」

 そうだね、とイリィは笑ってくれた。

 さぁ、他にも色々作ったからね?

「イリィ、色々作ったから着てみて」

 まずは防寒着。イリィが着てみる。足元まであるローブタイプだ。もちろんフード付き。

 イリィのは鈍い銀色で猫耳付き。フードを被ったイリィがあまりにも可愛い。

 手袋とブーツも履けば可愛いが大渋滞中だ。これはたまらないぞ?

 可愛い、可愛すぎる。


「イリィ、凄く可愛いよ」

 恥ずかしそうに笑うと

「アイも着て?」

 だから肌着以外を身につけて行く。

 イリィが目を開いて私を見て頬を染めた。

「アイ、それは反則…」

 口元に手を当てて目を瞑っている。ん?どうしたの?

「イリィ?」

 下から覗き込むと

「可愛いが渋滞中で、息が苦しい…」

 恥ずかしいな…。手を顔に当てて照れていると

「だからアイ、可愛いだけだから…」

 お互いになんだか真っ赤になってしまった。いそいそと着たものを脱ぐ。

 ふぅ、色々と危ないなこれ。だってイリィが着たらひたすら可愛いから。


「アイが着るともう、可愛いだけだよ」

「イリィもね?」

 照れあってから他のみんな用に作った物をイリィに見せる。

「へーどれも可愛いね。アイは色使いが優しいから」

 嬉しいな。イリィの作品は洗練された感じだからね。私はやっぱり可愛いは正義って感じ。

 作風が違うけどどちらも好きだな。2人で顔を見合わせて微笑む。

 今作りたいものはこれくらいかな。後は食事だ。ここに残るソマリに色々と教えておきたいから。

 だってイリィが食べるものだからね。

 これからまだ寒くなるし、やっぱり温かい食べ物は大切だから。


 ひとまずイリィと箱庭を出た。かなり長い時間経ったと思ったけどまだ日が高い。箱庭凄いな。

「どうする?イリィ」

「もう少し鉱物が欲しいかな」

「じゃあ取りに行こうか」

 ということで、また坑道に向かった。

 階段を降りて坑道に入る。イアンが奥からやって来た。


(ここの鉱物は手付かずで質もいい。早く掘りたくて仕方なかったからみんな張り切ってて…ヒヒイロカネまでたくさーん…)


 待て待て待て、待って…今なんか不穏な言葉が聞こえたよ?ヒヒイロカネって言ったの?かな。ん?私には聞こえなかった。ミスリルかな、ミスリルの間違いだよね?イアン


(いえいえ、ヒヒイロカネ…)


 待ったー、私は今少し耳鳴りがしてて、良く聞こえなかったよ?ミスリルだね?イアン…


(ミスリル系のヒヒイロカネです…)


 ガクッ、系って何よ系って…。脳内で一人ツッコミをしていると

「アイ、イアンは何て?」

「ん?別の場所でもミスリル(系)が見つかったって」

「アイ…本当に?」

 頷く。

「イアン、箱庭で話しを聞くよ?」

 あかーん、イリィそれはダメだよ。必死に止める私を笑顔で見ている。目は笑ってない?

「イル、ミスリル系って何?」

 ギギギッと我ながらぎこちなく振り返るとロリィがいる。口元にごく僅かに笑みを讃えて…。

 怖っ、美形の真顔で笑顔怖っ…見なかったことにして前を向けばイリィの温度のない笑顔。


「「イアン、箱庭に…」」

 シュッと2人が消えた。マズい、イアンもいない。慌てて後を追う。

 するとイリィとロリィがイアンから何かを聞いている。ミスリルだよね?イアン。

 3人が振り返る。笑顔だ…氷の微笑みとはこれか。無意識に後退りする私。

 シュッと聞こえたくらいの速さでイリィとロリィが腕を掴む。あくまでも優しくね?それがとても恐ろしい。

「「アイル」」

 愛称じゃないの?えっと…そっと目を伏せる。すかさず両側から手が伸びてきて頬に触れる。ビクッ…。

「「どうしたの…」」

 イリィをそっと見れば笑顔、ロリィに目を移すと笑顔。イアンは、楽しそうに見ている。


「「ヒヒイロカネ…はミスリルなの?」」

 仲良しだね?2人とも。寒くないのに汗が背中を伝う。

「イアンがね?」

「ヒヒイロカネって言ったよー?」

 うぐっ…

「アイ?」「イル…」

「「諦めて…」」

 はい、ごめんなさい。だって私が見つけたんじゃないし。チラッ上目遣いで2人を見るとため息をつく。


「そもそもノームが出てきたのはアイがいるからだよ?」

「ノームと契約するなんて普通出来ないよ?イル」

「「分かっているけどね?自分で招いた事だよ」」

 そんなんだけどさ…私がやった事ではないし。サファイアだってルビーだってピンクダイヤモンドだってね?

 見つけたのは私じゃないし?


「「まぁ仕方ないか…」」

 そうだよ、仕方ないよ。あ、ちょうどいいや。

「ロリィ、旅に着ていく服を作ったんだ。渡すね!」

 そう言って2人を家に上げる。

 そこでポーチからロリィに渡す分を取り出した。ロリィは肌着を見て

「これは?」

「シャツとズボンの下に防寒で着る肌着だよ」

「サラサラしてて体に…」

 すぐに服を脱ぎ出す。相変わらず手つきはぎこちないから手伝って脱がせた。

「これも…」

 下履きを指して言う。

「それは脱がないで着るんだよ?」

「えっ…」

 少し頬を染めて恥ずかしそうに

「全裸で着るんだと…」

 いやいや、そんなノーパンで着る服なんてないよ、基本でしょ下着は。


 いそいそと肌着を着る、つもりがわたわたしてたので手伝う。頭から被る物なんて着ないから分からないよね。肌着を着てから自分の様子を見て私を見る。なぜか目が潤んでいる。

「ロリィどうしたの?」

「イル、これでナニをするの?」

 へっ?何もしないけど。ただの防寒用の肌着だよ。日本なら普通にインナーとか性別関係なく着てたし。


 ◯ニクロとかのがお手頃価格でね?お気に入りだったよ。◯ンベルのもお気に入りだったし。

 そんな感覚だけど何で?白蜘蛛の糸だし、ロリィはごく薄い水色にしてある。ちなみにイリィのはごく薄い緑で私は鈍銀。薄い色だからかな?


 アイルはこの国で肌に直接身に付ける物を贈るのは、体を重ねたいという意思表示である事を知らない。

 ぶっちゃけると、抱きたいという事なのだ。そんな事は知らないアイルは2人とも寂しいのかな?なんて思っていた。


「ロリィ、それは寒い時にシャツやズボンだけでは肌が冷えるから着るものだよ?その上からシャツとズボンを着てみよう」

 そう言って、シャツを着せてズボンをはかせる。

「暖かい…肌に吸い付くみたい」

 蜘蛛シルクだからね!

「この生地は?」

「白蜘蛛の糸から織った布だよ」

 にこにこして言うとロリィの動きが止まった。


「蜘蛛シルク…」

 そうそう、頷くとロリィが

「肌着に、蜘蛛シルク…」

「ロルフ、諦めて。僕も貰ったから…」

「王族ですら持ってない…蜘蛛シルクが肌着」

「ロルフ、蜘蛛シルク()だよ」

 ロリィは真剣な顔で頷き

()は大事…」

 そうそう、風って大事。


 そのほかの防寒着も着せて帽子と手袋とブーツをつけたロリィはとっても可愛かった。元が美人顔だからね…これで寒くて頬が少し赤かったらもうヤバいよね?萌えるわ。

 イリィもロリィの伏し目になった顔を凝視している。

「ロルフ、凄くきれいだよ」


 真顔で呟いた。分かるよ、だってね…2人ともそう言うさ。間近で見ると本当にまつ毛が長くてね。イリィよりも女顔かな?

 ラルフ様も似た雰囲気の甘い顔なんだけど、ロリィの方がミステリアスな美女って感じかな。

 イリィはきれいなんだけどロリィほど中世的ではないかな。


 まぁどちらもとんでもない美形っていうのは間違いない。うんうん頷いていたら

「イルも着るの?」

 もちろん、自分のもあるよ?

「見たい…」

 旅でいくらでも見れるよ?

「今がいい…」


 珍しくロリィが主張するからローブとバーツと手袋を身に付けた。フードには犬の垂れ耳付き。

 私を見たロリィは驚いて手で口元を覆う。

「イル、それはまた反則…」

 えっ?犬耳が?ナビィみたいで可愛いよな?

「可愛すぎる…」

 いや、頬を染めてるロリィの方が可愛いよ。


「あまり人に見せちゃダメだよ…」

 イリィに言われた。それを言うなら私がいない時にイリィがとんでもなく可愛い猫耳になるんだよ?

「イリィだってあんなに可愛いのに…」

「僕は隠蔽であまり分からないから」

 そうだけどさ、独り占めしたいよ?

「独り占めしたいなって思って…」

「「だからそういう所」」


 取り敢えずロリィにも服を渡して箱庭から出る。夜には例の毛織物について話をするからね。

 早めに夕食。でもその前にもう少し採掘。イリィもロリィもサファイアやルビー、ピンクダイヤモンドを掘っている。私も少し離れた所でチマチマとね。

 ん?なんか薄い黄色が見える?光の加減かな。近寄ってみる。やっぱり薄い黄色。少し採ってみる。

 凄く透明でもないけど、なんだろ?不純物かな。さらにジッと見つめる。


(バナパングラス 星の彼方から降って来た隕石が大地に衝突した際に出来た鉱物 大変貴重 小指の先ほどで高品質のダイヤモンド拳大の価値がある)


 …またとんでも無いもんあるな。いいのか?これ。ある意味、ダイヤモンドより貴重だよ。




*読んでくださる皆さんにお願いです*


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