2025お正月スペシャル閑話
新年明けましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いします
お正月スペシャル
本編とは関係ありません
私は目を覚ました。後10分。ここは箱庭の自分の部屋。隣には、いや体の上には、かな。淡い金髪。いつも通り私の体に乗り上がるように寝てる。
どんな体勢で寝ても必ず、なんだよね。不思議。
その淡い金色の髪をそっと撫でる。
あまり時間が無い。起きてくれるかな?イリィは本当に寝起きが悪いからな。
背中でもぞもぞと動く気配を感じる。これはナビィだな。お尻が私の背中にピッタリ付いてる。肩の辺りにももぞもぞと動く気配。これはベビーズだな。
足元にはもふもふな感触。これはハクだな。頭の上にはふかふかの羽、もちろんブランだ。
あ、ナビィが起きた。毛布から出ると体をプルプルして伸びをしてる。短い、う、うん…長い?おみ足をいっぱいに伸ばす姿はひたすら可愛い。
その首元を撫でる。うん、ふわふわだね!
そうだ、イリィを起こさないと。
「イリィ、起きて?」
「ん…アイ…むにゃ」
むにゃって可愛い。あ、もうこのまま見ててもいいかも。密度の濃いまつ毛がふるふるしてる。
あぁ目を瞑ってるのになんてきれいなんだろう。
切れ長の目、細くて形の良い鼻、白くて滑らかな肌、薄い唇。細い首に流れるような鎖骨。
首元が見えてるのが少し色っぽい。私は朝でも相変わらず沈黙してるけど、体が密着してるからイリィの状態が分かる。
うん、年頃男子の正しい朝だね。
その瞼にキスをする。
「起きて?イリィ…」
「う、ん…」
あぁ可愛い。どうしよう、ずっと見ていたい。
でもやっぱり一緒に見たいから。
その唇にキスをする。しっかりと。その唇の柔らかさを堪能する。
「ん…アイ?朝から情熱的だね…まだ暗い、よ?」
「イリィと一緒に日の出を見たくて。新しい年の…私たちが一緒になってから初めての…ね」
イリィは目をパチパチとしてふわりと微笑む。
「起こして?僕のアイ…」
う、旦那さんが…甘い。高速で頷くとイリィの背中に手を当ててゆっくりと体を起こす。前から抱き付くようにして寝ていたから、起き上がると正面から抱き合った状態。
イリィは私に濃くて長いキスをして
「外に行くの?」
頷くとベットを降りる。
手を繋いで部屋を出る。後ろからナビィとハク、ブランとハクの背中にベビーズを載せて、付いてくる。
縁側にイリィと並んで座る。ハクは左に、ナビィは背中に、ブランは肩の上に、ベビーズは私とイリィの膝に乗っている。まだ空は暗い。
箱庭の丘の上から陽が昇る。イリィと手を繋いで空を見る。
少し冷えた空気は心地よく、静かでイリィの体温とハク、ブラン、ナビィ、ベビーズの体温を感じながらその時を待つ。
「あっ…」
イリィが目を開いた。オレンジの光が地平線を照らす。
私ははイリィの横顔を見る。きれいだ…朝日にも負けないくらい私のイリィはきれいだ。
視線を感じたのか、イリィが私を見る。何?と言うように首を傾げる。
可愛い。私はイリィにキスをしてその体を抱きしめる。
「ふふっ朝日を見なくていいの?」
「イリィの方がきれいだから…」
「朝から情熱的だね?」
私の頬を撫でて優しく笑う。とても色っぽい。
「新年記念に、外で…」
「えっ…」
「散々煽ったからね…?」
首を振る。違うよ…そんなつもりじゃ。
細い指を私の唇に当てると、悪い子だね。と言って抱きしめられる。
これはあかんやつでは…?
朝からイリィのスイッチを押してしまった私。さらにハクもブランもナビィも人型になって。
新年早々に大運動会になったのだった…。
あれ、そう言えば朝日ほとんど見なかったかも?
まいっか。こんなに大好きな人と新年を迎えられたんだから。それだけでね、幸せだよ。イリィ。
出会ってくれてありがとう。
大好きだよ、イリィ。
ずっとずっと一緒にいようね…イリィ
箱庭で密かにもち米を作ってたんだよ!品種改良してね。ならば作るのはお餅。
杵と臼も作ったよ!
で、ぺったんぺったんとね。
おぉ〜伸びてる。
熱いうちに丸めて…お醤油を付けて…
まったく躊躇なくロリィが食べる。
「美味しい…」
見たことの無い食べ物だよね?少しは躊躇しようよ。
「ん、イルが作るものなら泥団子でも平気」
それはどうかと思うよ?
イリィはその唇に少しお餅が付いてるよ?取ってあげる。
むちゅう…
真っ赤になったイリィが可愛い…
えっ、唇にお醤油付いてる?イリィに舌で唇を舐められて真っ赤になったのだった
ハク、ちゃんと噛んで…
あぁ、だから言ったのに…はいはい、背中トントンするよ?
大丈夫?
あぁ、だからよく噛んで…はいはい、背中トントンね?
懲りないハクだった
ナビィは分かってるでしょ?小さく切るから待って…
あーだから、背中ドンドン
大丈夫なの?もう窒息するよ…掃除機とか無いんだからね?
小さく…あーだから、背中ドンドンだよ、もう…
懲りないナビィだった
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