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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第2章 感謝祭と諸々の騒動

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140.聖獣の子

 へーなんだか聖獣も難しいな。

『白銀狼は聖獣の頂点だからね、まぁハクは聖獣じゃ無くて神獣だけど』

「森人は魂の番としか子供を作らないんじゃないの?」

「アイル君、ちょっと待った。ハク様が神獣っていうのは?」

「この間、創造神アリステラ様に能力を解放されて存在進化したみたいです」

「…アイル君、サラッと言ってるけど。伝説の存在だよ?」

「でもハクはハクだし?」

「…そうだった。君はそういう子だよね」


「うん、アイル。私たち森人は魂の番としか結婚できない訳じゃないよ。兄弟で同じ人に運命を感じることも多いからね。愛し合えば子供は出来るし。でも()()()()()()()()()()()()()…どうなるのかな?ねぇ…ブラン」

「あの、聖獣と結婚て出来るの?」

「聞いたことはないが、御伽話で精霊と結婚して子供をもうけたとか聞いたことがある」

『人の世の理は知らないけど、人型の精霊とは交われるよ。人型になれる聖獣とも雷獣とも妖精とだって交われるよ。ユーグ様みたいな生命樹の精霊とは無理だけど』


「あの、でも精霊とか妖精はみんな小さいけど、交われるの?人とは違う交わり方があるとか…」

『大きくなれるんだよ。だから普通に、ね』

 そうなんだ…。

『アイルは僕と交わりたいの?』

「あ、そういう意味ではなく聞きたかっただけで」

『君の魔力も纏う空気も精霊や妖精たちは大好きだからね、交わりたいと言えば押し寄せてくるよ、ふふっ』

 間に合ってますよ?

『ふふふっ私は全て見てるからね?』

 そうだった…。うわぁ恥ずかしい。


「僕の1番はご主人様だから…交わるならご主人様とするよ。でもシアも好きだから…子供が欲しいなら」

「ブラン…私は今すぐでも…」

「くすくす。ダメーご主人様が初めての相手なの」

「分かったよ!私ならいつでもいいよ、ブラン」

 そう言ってまた抱きしめてキスした。なんだか犯罪の匂いがする光景…。

 この時はまだ交わる、が体の繋がりだと思っていた。恥ずかしい…。


『ブランの前に私よ!アイリ、私と交わるの』

「えっナビィと?それは…」

『あれだけ毎日体を撫で回してお股も拭いてくれてお尻の匂いも嗅いでなんならお尻に顔面ダイブしてたじゃない!お風呂だって何度も入ったし体も隅々まで洗ってくれたでしょう?』

「それは犬だからな?」

『毎日キスして舌を絡めてお膝の上で抱っこしてくれて。お腹も撫でてお尻だって柔らかくて気持ちいいって散々触ってたじゃない!』

「犬だからだよ!」

『お胸バーンはアイリは好きじゃないなら男型になるよ、それでいいでしょ?女型の方がいい?ささやかなお胸にもなれるよ。アイリの好きな人型になるから…だから初めてはアイリがいい!』


「あ、この子はナビィで私の故郷で飼っていた犬で…私を追いかけてここまで来て」

『そうなの、私はアイリの家族。今はアリステラ様の使徒をしてるのー。よろしくね!』

「アリステラ様の使徒?使徒様!」

 慌ててファル兄様たちが跪く。

「あ、そういうのは大丈夫なので」

『そうだよー』

 するとベル兄様が

「ナビィちゃん、その…アイル君と交わった後に、こほん。僕ともぜひ交わって欲しいんだけど」

『うわぁ美人さんだ。いいよー。私との子供が欲しいの?』

「ナビィと人との子は人?」

『そうだよー。人の子として産まれるよ。アイリとの子は天使になる』

「…?天使?」

『使徒の子は天使だよ』

「何で私との子だけ?」

『私はアリステラ様からアイリへの使徒として呼ばれたから』

「天使って?」

『人として産まれる妖精』

 ダメだ、分からない。


 白眼狼の子は白銀狼、白大鷹と人の子は大鷹、白大鷹と白大鷹の子は白大鷹。ここまで大丈夫だね。

 で、使徒と人の子は人で、使徒と遣わされた先の人との子は天使。それであってるかな?

『あってるよ、アイル』

 うん。ひとまず整理出来たな。うん。


「ナビィちゃん、ぜひ僕と子を成して欲しい」

『いいよーイーリスのお兄ちゃんなら家族だからね!ベルはどっちがいい?女型?男型?』

「僕は男型がいいな、出来ればアイル君みたいな感じの」

『分かったーアイリの双子みたいになる!』

 それを聞いてシア兄様とファル兄様がくわっとした顔でナビィを見る。

「ナビィちゃん私ともその…」

 2人してもじもじして言う。

『皆んなアイリが大好きなんだね?アイリと交われば?』

「それはダメ」

 即座にイリィが否定。

『んーでも…アイリの子がたくさんいたらきっとすごく可愛いよ?』

「うぐっでもアイの体は…」

『私はどちらでもーアイの体を真似るから』

「ナビィ…私の体であちこちでそのな、しないでな?」

『しないよー。イーリスの家族は特別。あ、ロリィならいい?あの子は凄く純真で可愛い』

「あーまぁロリィならな」

『でも1番はアイリだからね!』


「あーそのナビィちゃん、私もな、こほん。うん、伴侶はいるのだが…」

『私は構わないよー森人は皆んな優しい魔力…私は精霊でもあるし妖精でもあるから好きな魔力。皆んなカッコいいし…』

 ナビィ…あの人型になったらどんな風になるの?私の双子ってそのね、足の長さは?

 うわぁ…ナビィ、押し倒さないで!

『アイリ、今失礼なこと考えたでしょ?』

「そ、そんな事…」

『もう、酷い。アイリとする時はアイリの体でするんだから』

 えっ?えっ…それは。自分を見ながらとか何の拷問?

「僕は見学する」

 イリィ…やめて。

「アイがアイと…なんて見てて楽しいよ?」

 だからやめて…。


 はぁ、疲れたよ。そうだ!

「ファル兄様、いつ出発?」

「それなんだが…ロルフ様の話は聞いたよ。彼も一緒なら私たちは先行しようと思う。あちらの状況も確認したいからな」

「じゃあすぐ?」

「ナビィちゃんとはいつヤれるのかな?」

 ベル兄様言い方。

「ブランちゃんとはそのな…仲良くしたいな」

 シア兄様も?

「ん、ん…ナビィちゃんはいつ人型になれるのかな?」

 ファル兄様まで?


「アイ、森人はね。子を作るとか成すのが難しい種族なんだよ。優れた容姿とか魔力に権力が渡らないように相手を選ぶ。聖獣や使徒様はそういうものとは無縁だから。もちろんアイも…そういう相手と出会えたら機会を逃さないで励まないと。数が減ってしまうんだ」

 あ、そっちが大好きとかじゃないのか…ごめん。

 顔を赤くしているとイリィが

「アイ、何を考えたの?ねぇ…交わるのが好きな種族とか?ねぇ…こっち見て…アイ」

 私の腰を抱いて頬を撫でながらイリィが言う。私はそっと目線を逸す。

「アイ…こっち見て?」

 そっとイリィを見るととても妖艶な顔で私を見ている。えっ私イリィの何かを刺激した?

「ふふふっならたっぷり分からせてあげるよ?」

 さらに腰を密着させて言う。


「アイが疲れたみたいだから、少し休憩する」

 そう言ってイリィの寝室に手を引かれて連れて行かれた。

「アイ…そんなに僕たちの種族のこと知りたい?」

 頬を撫でながら言う。

「えっ、いやその…」

 濃厚なキスをされて

「たっぷりじっくり教えてあげるよ?」

 もう充分かな…?

 腰を撫でてうん?って顔で私を見る。そのままさらにキスをされて…。

「しっかり覚えて?アイ…」


 …良く分かりました。私は隣で寝ているイリィを見る。穏やかなその寝顔はあどけなさもありつつ、少しずつ引き締まってくる頬の線が凛々しい。本当にきれいだ。私のイリィはこんなにも素敵で、私はイリィに相応しいのかな?

 ハクもブランも私を選んでくれたけど。ナビィはまぁ付き合いが長いから。


 私がそんな風に黄昏ている頃、食堂から居間にうつった皆んながナビィから私の子供の頃の話を聞いて、その可愛さに悶絶していたのを私は後から知ったのだった。




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