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計算機科学

パソコン通信!夜眠れないのでアナログとデジタルのことについてぼんやりと考えてみたら迷走した(6)

●パソコン通信!夜眠れないのでアナログとデジタルのことについてぼんやりと考えてみたら迷走した(6)ー信号2


 ***


 アナログとデジタルに関する第1仮説と第2仮説を、どう修正していくべきか検討を続けます。


 ***


 例えば電話。主に固定電話についてです。


 最初に開発されたのはアナログ式ですね。電話機で音声を電気信号にして、アナログ回線(つまり銅線)を経由して、相手とお話できます。


 音声と電気信号が相応すること、数値ではなく連続的な量であることから、アナログ式の電話はアナログ式と言えます。


 デジタル回線(ISDN)では、回線上はデジタルなデータが流れます。電話機側で音声をデジタルなデータに変換して、0や1を 100% パルス幅のAMI符号で表します。


 アナログでもデジタルでも電話機の両端では音声であることは同じですが、その間の処理が違うのでアナログとデジタルとを区別するのですね。ここに着目した区別は有用と思います。


 *


 電話を発明したのは、グラハム・ベル、トーマス・エジソン、イライシャ・グレイらを差し置いて、イタリアのアントニオ・メウッチだと今はなっているようです。1871年の発明。知らなかったです。


 *


 音声を電気信号にするのがマイクで、電気信号を音声にするのがスピーカ。


 ですが、実はスピーカとマイクの原理は共通です。クリスタルイヤホンはスピーカにもマイクにも使えるので、イヤホンを2個をつないで糸電話っぽい遊びができます。音は小さいですけどちょっと楽しいです。


 中学でカーボンマイクを作った人います?


 *


 日本で電話サービスが始まったのは1890年で東京〜横浜間。最初の電話帳は197名が記載された1枚紙だったとか。138番のマクドナルドさんって誰? アナログ電話網としては電話の前に電信事業が1869年に始まっていて、ここが始まり。


 デジタル回線は、INSネット64が1988年4月の開始。だけど、その前に第1種パケット交換サービス(DDX−P)があって1980年7月にサービス開始している。キャプテン?


 アナログ回線といっても、家の電話機から最寄りの電話局(加入者線の収容装置)までは銅線メタルなのですけれど、その先は時代によって変遷していて、銅線で繋がっているとは限らないのですね。何なら通信衛星とか地上マイクロ波で中継されていることも。


 *


 1965年から電話交換機の間の伝送路(中継回線)はデジタル化が進んでいたそうです。当初はPCM24と呼ばれる方式。それから電話交換機も1890年の手動式から、1926年にSxS方式の自動交換機が導入されて、その後も電子化やデジタル化が進みます。クロスバ交換機としては1955年高崎局への導入が初(アメリカ製)で、アナログ電子交換は1969年に牛込局に導入されたDEX−2形機が初。


 1967年 C400形クロスバ交換機(リレーと布線論理で構成)

 1972年 D10形電子交換機(プログラム制御でリレーをスイッチ)。

 1982年 D60形デジタル交換機(伝送路も含めて全電子化)


 今年(2024年1月)からは全面的にIP網に以降します。


 放送と違って(?)、通信(電話)はずっと前からデジタル化が進んでいたのですね。


 *


 昔の銅線で繋がっていた時代の名残は、NTTの技術参考資料の伝送品質の頁で見れます。WEBでPDFファイルが公開されてますよ。


 伝送損失とか、減衰ひずみ、雑音、群遅延ひずみ、伝搬時間、エコー(反響)、周波数偏移、位相ジッタ、瞬断、...など。数多くの項目があります。


 今の技術参考資料ではあっさりと解説があるだけの項も昔はグラフが掲載されていて、減衰ひずみなら(300Hzや3400Hzだと)1リンクで4dBまで、7リンクでは14dBほど減衰することになっています(参考値)。リンクというは「音声帯域回線の接続数」のこと。つまり中継する局の数かな。アナログだから接続する数が増えると減衰も増加するのです。


 デジタル回線の伝送品質は、符号誤りと伝搬遅延とジッタの3つ。これはデジタルですね(誤用)。


 符号誤りは、誤り訂正符号があるとしてもエラーがでるのは仕方ないよね。むしろエラーレートを評価できることが凄いよね。


 伝送遅延が発生するのは、回線が長ければ距離に応じて遅れる(光は遅すぎる、って)のと、パルス符号変調(Pulse Code Modulation、PCM)や時分割多重化(Time Division Multiplexing、TDM)などの処理をしているからでしょう。回線交換であっても直に接続されているわけではないので。


 ジッタとは、デジタル信号のパルスが正規の位置からずれること。デジタル信号なら多少の違いではエラーになりませんが、ジッタ量が多いとオーバーフローやアンダーフローが発生する。


 *


 電話機もナンバーディスプレイの付いた機器なら、モデムを内蔵していてV.23規格(1200bps半二重)で電話局とデジタルな通信をするのです。電話番号が表示されるのですから当然なことでした。


 電話はアナログだろうと思っていたら、それは末端だけで中身はデジタルに化けていた感じですね。


 *


 古い資料を探し出して読むと、色々と解説があって楽しいですね。知らない話が満載。通信用のPCMには、国際規格ITU−T勧告G.711(μ-law) があるんだ。あとで読んでみよう。


 ***


 例えばパソコン通信。前世期末が全盛期でしょうか、今はすっかり廃れました。


 日本では1985年4月の通信の自由化がパソコン通信の流行の始まりです。


 アスキーネットやPCーVAN、ニフティとかありました。あとJUNETも。当時の人はモデムという機器を使ってアナログ回線を介して手元のパソコンをホストに接続して、夜な夜な画像転送をしたと言います。alt.binaries.pictures.*


 パソコン通信ではアナログ回線を使用していますが、そこに流れるデータはモデムがデジタルなデータを音声帯域の電気信号に変調したもので、受信側のモデムで復調すればもとのデジタルなデータになるのです。


 ここに着目すれば、パソコン通信はデジタルですね。


 パソコン通信はアナログの電話回線を使用しますが、それでもデジタルだと言いたいのです。


 凡そおよそこの世の物理的な存在はアナログ的で、システムを構成するレイヤの1つがアナログだからアナログだと言っていては、デジタルなものが成立しなくなってしまいます。


 でもアナログかデジタルかのについての考え方がスッキリしない感じですね。なんだろう?


 ***


 例えば信号。特段の定義をしないで使ってましたが、信号にもアナログとデジタルがあるのですね。アナログ信号とデジタル信号。


 信号の内容(値など)が、連続的ならアナログ信号、離散的ならデジタル信号とするようです。


 オンとオフからなる信号はデジタル。モールス信号とか有名ですね。


 オンとオフの間が連続的に変化して、その各々が意味をもつ信号ならアナログ。音声を電気信号に変調するときのAMとかFMとかね。


 例示すると、電気信号(電圧)で示すなら、連続的な温度(0〜50度)を0〜5Vに相応させるとか、離散的な数値(0〜255)を0Vと1Vのパルスの8個分で示すとかです。


 パソコン通信のモデムが行う変調は、V.21規格(300bps全二重モデム)で説明すると、発呼側は1を980Hzの信号に、0を1180Hzの信号にします。1ビット分の信号は1/300秒なので3波形程ですね。受信側はこの3波形程の信号をみて、980Hzなら1、1180Hzなら0と復調します。...これってモデムと言うよりも音響カプラーではと思った方は感想欄に申し出て下さいな!


 980Hzの波形それ自体はアナログ信号なのですが、回線上には980Hzの波形と1180Hzの波形の2種類しかないことに着目すれば、1と0の2つしかないので離散的であり、デジタルだと言えます。


 モデムにはアナログなデータを伝送するものもあります。V.16規格と言って遠隔地の心電図の信号を中央病院などに送るためのモデムです。心電図は0〜100Hzの帯域の信号で、これをFM(周波数変調)で音声帯域の電気信号に変調します。これは連続的なのでアナログです。


 *


 これは電流計や時計の表示方法とは異なる世界ですよ。パソコン通信はデジタルということで良いですか?


 *


 アナログなデータとデジタルなデータがあるとしても、データが存在するには物理的な媒体が必須です。そして物理的な媒体はだいたいアナログです。アナログなデータがアナログな媒体に保存されるのは良いとしても、デジタルなデータはどうなるのでしょうか。


 ***


 例えば紙。これに記録されたデータは、もっぱらアナログなのでしょうか? 


 信号と同様に考えれば、数値も文字もデジタルでしょう。これらのデジタルなデータは、紙に記録してもデジタルなデータでしょうか? 紙上のインクの分布は表示方法に着目すればアナログですが。


 デジタル回線は回線上のデータは電気信号なので表示方法ではアナログなのですが、これを信号としてデジタルと考えるならば、紙に記録してもデジタルと言える余地はありそうです。


 ***


 例えば確定申告。そう言えば(個人の)申告期間(2月15〜3月15日)が過ぎましたが、皆様は無事に乗りきました? 私は早々に申告を終わらせました。それにしてもeTax押しがすごいですね。ゴリゴリと謎な理由付けで押されている感じがする。


 確定申告は法人の申告もあります。法人税の納付のため。法人用の申告書の別表1はOCR入力用の帳票で「この用紙は機械で読み取ります」などと注意書きがあります。別表1には収入や所得を書き込むのだが、スキャンされてデジタルなデータになることが予定されているデータです。これは紙に書いたデータでもデジタルでよいよね。


 同様に紙に印刷した二次元バーコード(QRコード)もデジタルなデータですね。あと、マークシートもデジタル。


 ***


 例えば日記。文字列ならデジタルなデータと言えそうですけど、絵日記もあるし、筆跡やちょっとした個性が見えるラクガキなどがあると、デジタルとは言えない感じもします。


 数値や文字などのデジタルなデータを紙に記録した場合、そのデータをデジタルなデータに復元することが予定されているか、あるいはデジタルにできない情報が含まれているかで、アナログかデジタルかを区別してよさそうでしょうか。


 ***


 数字で表示されたものだけがデジタルである、という考えは狭い気がします。第2仮説を拡張するべきか、廃棄すべきか。


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 間違いの指摘とか疑問とか、ご意見・ご感想とかありましたら、どうぞ感想欄に!


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2024.3.30 電話関係を加筆。

2024.4.8 マイクロな推敲。

2025.4.13 微推敲。


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― 新着の感想 ―
[一言] この回のコメントとして適切かどうかは分かりませんが、値が離散値化されているというだけでは、デジタルとは言えないのが難しいところですね。 PCMはデジタルということに異論は無いでしょうが、PP…
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