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シンキョウギ La nova konkurso




 広い競技場に、屈強な男達が腕組みをして立っている。

 盛りあがった筋肉、勝利への強い意志を感じさせる強面の表情。さらなる名誉と報酬を欲するプロフェッショナルな選手たちが数十人。

 観客席は超満員、私は最上段の隅にかろうじて立つことができている。

 試合がはじまった。

 選手たちは競技場に散らばって立ち、腕組みをしたままだ。ただ、ときおり九十度ずつ向きを変える者がいる。

 次第に向きを変える人数も頻度も多くなる。そして波のように起こる大歓声! それでも選手達は腕組みを解かず立っている。歓声が止むと、また向きを変える動きがはじまる。だんだん速くなっていく。また大歓声! 

 私はため息をつく。

 彼らがなにをやっているのかさっぱりわからない。新しい世紀が訪れてそれにふさわしい新競技が作られたのも、すぐに大人気になったのも知っている。ただ、これがなんなのか理解できないのだ。

 新競技だけではない。新しい乗り物、新しい食べ物、新しい国、新しい世界……。理解できない物ばかりで、新世紀に私の居場所はなさそうだ。

 思い出となるため、いろいろな人を乗せ彼方へと出発した前世紀。今から追いかければ、私も乗せてもらえるだろうか。




 Fino






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