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イノリ Pregxo




 わたしも神に祈りくらいはささげている。

 生きることは労苦にほかならないからだ。

 物心がついてこのかた、ある仕事にずっと従事させられている。自分の死により解放されるそのときまで、このつらい仕事が続くらしい。

 その仕事とは、泣きつらを見つけたらすかさず尻の針で刺すことなのだ。

 この世に泣き面が増えつづけているので、われわれの尻の針も頑丈になり、何度でも刺せるように進化した。

 だが泣き面の増加速度が速すぎて、われわれの数もかなり多いはずなのに、手、いや尻が回らない。一日が終るころには疲労困憊のありさまで、わずかな眠りから覚めるとまた泣き面を刺しに飛びたたねばならない。

 重い体を宙に飛ばしながら、わたしは心から神に祈る。わたしに別の仕事をさせてください、それが無理でしたら世の泣き面を減らしてください、と。

 だが祈りが届いたことはないのか、どれほど頑張っても今日も刺しきれない。




 Fino





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