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テガミ La letero




 遠方の友から手紙が届いた。

 こんな体験は久しぶりなので、すぐに開封した。

 すると、今こそあの時のことを君に謝らなければならない、と深刻な調子で以前の出来事について謝罪する文面だった。

 しかし困ったことに、わたしにはその日その場所にいた記憶がない。

 そもそもその場所の名称さえ今まで聞いたことがなかった。

 宛名はたしかにわたしの名だ。けれども友と思った人の名に本当に覚えがあるかどうか、とても曖昧になってきた。

 この人はわたしの知らない場所でわたしに何をしたのだろう? 

 あらためて手紙を読んでみると、まるで外国語で書かれてあるように、意味が読みとれなくなっている。内容を問いただそうにも、差出人の名前も住所も読みとれなくなってしまった。

 それきり友という人からの手紙は来ない。わたしは読めない手紙をときどき出して眺めては、どんな仕打ちをされた結果が今のわたしなのだろうと考える。

 とまどうことに、結構わたしは幸せなのだ。





 Fino






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