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バッパイ Puna drinkajxo





 ひぐまたちに盃を持たされ、泥のような酒を注がれる。

 時間内に詩を作れなかったので、罰杯ばっぱいとして呑まされるのである。

 これまでに何杯を呑み干したことだろう。これが旨い酒ならよいが、ひたすら苦いだけのもの。

 私は意を決して盃をあおる。すぐに顔がゆがんでしかめっつらになり、舌が口の外に長く出てはがれかけのおふだのようにびらびらと揺れる。どうしてこの黒ずんだ汁を酒と呼ぶのか……。

 周囲ではすでに羆たちが、次の題で詩を作ることに取りかかっている。私はやはりとまどうばかり。

 彼らの言う詩がわからない。酒と同様、人間の呼ぶ詩とは別のものらしいのだ。

 その場で学ぼうにも、私には羆たちが寄り集まって吠えたり体臭を嗅ぎあったり、軽く噛んだりしているようにしか思えない。

 詩を披露する順番がせまる。もちろんなにもできていない。また私が罰杯を引き受けるのか。

 体が苦い汁で満たされるにつれ、動けなくなってきている。しかしそのていどのこと、もはやどうでもよい気もする。

 次の詩会に別の人間が招かれる際には、私が酒になっていることだろう。




Fino




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