凡人、バレた。
騎士さん達が、研究所に常駐して警備してくれるようになって、研究所の人達もホッとしていた。
特に魔法を研究する部署は、積極的にセキュリティ対策を色々手伝ってくれた。
本来は、生活を助けるものなのにそれを悪用されて・・、魔法自体を悪いものだと捉えられたら悲しいと話していて・・、魔法が使える人はあまり良い印象がなかったけど、自分もそんな人達だけだと思い込んでいたなぁ・・と思って反省した。
午前中は、ばら撒かれたデータを片付けたり、掃除してあっという間にお昼だ・・。
ただ、昨日普通にご飯を食べていて・・、誘拐されてた私を研究所の皆さんが興味津々で見ていて・・大変落ち着かなかったんだよね。
そんなわけで今日は、食堂からお昼を貰って中庭で食べる。
ミスクさんもアル君も、「外もいいですね〜」って言ってくれるので、ありがたい。
今日は、でっかいハンバーガーだった。
この世界にもあったのか・・、ちょっと再会に感動しながら食べる。
「それにしても、いつ落ち着くかなぁ・・」
「そうね〜、まだ主犯格は捕まってないし・・、しばらくは落ち着かないわね」
ミスクさんも、そこはちょっと引っかかるらしい。
はぁ〜っとため息をつきつつ、冷凍していた氷を入れたジュースを飲む。
「ま〜、でも冷凍箱は無事できたし!!あとジュースに氷を入れて飲むっていうのはなかなか良いわね!流石りつ!」
プハーッといい飲みっぷりです。ミスクさん・・。
私のジュースも氷が入っているので、大変美味しい。
「氷を入れて飲む習慣がなかったの、驚きでした・・。ただ飲みすぎるとお腹を壊すから気をつけて下さいね」
は〜いと返事しつつゴクゴク飲んでるけど・・、心配だ。
レイト君もジュースを飲みながら、仕事場の方をみる。
「・・早い所、りつやアルが作ったリボンとブレスレットの効果も調べたいしな」
「そうだね〜、狼煙の効果なんて付けてないのにな・・」
「あと、りつに付けておきたい・・。危なっかしいから・・」
レイト君にじとっと見られて、そっと目を逸らした・・。
えー、私じゃなくて、主にレイト君にじゃない??
アル君は、レイト君の話を聞いて慌てて持っていたカバンから一冊の本を取り出して、私に渡す。
「あの・・、昨日お話を聞いて、思い出したんですけど・・これ」
そういって渡された本を見ると、『色と素材』というタイトルだった。
「色にも色々な効果があるって、最近わかってきたみたいなんです・・。作ったものと素材を組み合わせると、大きな効果があるらしいですよ!」
アル君がキラキラした目で私に解説してくれると、ミスクさんもレイト君も目を丸くしてアル君を見る。
「完全に本の受け売り・・ですけど・・」
ちょっと照れて笑うアル君に、ミスクさんが頭を撫でて・・
「すっごい良い本見つけたじゃない!!偉いわ!研究熱心ね!りつ、あとで私もその本読ませてね!」
「うん、もちろん!!アル君、ありがとう!!」
わ〜〜!!!すごい楽しみ!!
これがあれば、これから作るブレスレットやリボンの効果を広げられるだけじゃなくて、みんなが作っている物だって、効果が色々つくって事でしょう?!
ワクワクした気持ちでレイト君を見ると、同じように笑ってくれて・・、なんかそんな小さい事が嬉しかった。
そんな私とレイト君を見て、
ミスクさんの目が光った。
「あら〜、とうとうお付き合いする事になったの?」
ニンマリ笑って、私とレイト君を見るので、瞬間真っ赤になった。
アル君はそれを聞いて、私達を交互に見るので俯いてしまう・・。
レイト君は、頬杖をつきつつ・・
「・・そうですけど・・」
そう言って、私の手を繋ぐので・・借りた本でそっと自分の顔を隠した。




