仮拠点
しばらくたって僕は
「クク、ククク、クククク、クハハハハ」
ちょっとハイになっていた。
「自分がここまでチートだとは思わなかっわぁ、ハハ。もうそんじょそこらの魔物が束で襲ってきても全滅できると思うわ、信じられるか?これでまだ転生して数時間だぜ?もうここまで来たら自分がどうなるのか気になってきたわ!ハハ、ゼウス!今に見てろよ!絶対一発かましてやる!」
そして壊れていた。
それもそのはず、つい数時間前まではヘロヘロのブラック企業の会社員だったのに、いきなりこれ、少し楽になればなぁ、とか、これできたら面白そうとか思って頼んだ能力に振り回されているのだ。
けれど、方針は決まった。
とりあえずゼウスをぶっ飛ばすまではこの森を移動しない。
まだ能力では遠く及ばないから修行しないとな。
自分の成長を図るのならば、まずは生活拠点の製作。
そして、今の能力と、これまでの経緯からどうなるとスキルが成長ないしは取得できるのかを分析して効率よく自分を強くする。
また、相手は全知全能な完璧チート。
それに殴り込むのだから、武器が刀では心許ない。
だからこその武器の製作。
正直防具は今の服を強化していけばいいと思う。
なんせあの糞爺の製作したものだ。
これ以上のものはない。
だからこその武器。
確かに魔法は地球出身だと言うこともあり、イメージは強固だが、ゼウスなら周りの魔力を消せるかもしれない。
そうなったときの攻撃手段が刀なのはちょっとね。
と言うことで遠距離攻撃手段の確保。
そして何より忘れちゃいけないのが回復手段。
いくら不死身でも傷はつく。
そのせいで判断が鈍ることはあってはならない。
なんで殴り込みに行くだけでここまで完璧にするのか?
それは、話していて分かったからだ。
奴は面白いことには全力を出す。
普段あんなつまらないところにいるんだ。
だからこそこちらも用意周到で行かなければならない。
よって、その一歩として....
「さぁ、拠点作りだ」
そうと決まれば即行動。
あと四時間くらいで日が暮れそうだ。
だからこそ、高速な移動手段が欲しい。
「たぶんできるはず...さっきまでと異常な成長を信じろ!.....
転移!」
そして視界が一直線に伸びた道から拠点作成予定地の高台に変わった。
どうして、転移ができたのか?
それは真眼と司考のおかげだ。
原理はこうだ!
まず真眼で目の前の開けた道から見える予定地を正確にとらえる。
真眼により360°の視界を得た僕は正確に距離を測れる。
なんたって真眼は指定した対象の情報を読み取れるからね。
それなら、視界いっぱいの情報を正確に見れる。
また、司考により真眼により得た情報をもとに正確な立体地図を頭で作成。
正直この能力がなきゃ360°の視界なんて処理しきれない。
まぁそれは置いといて、その立体図をもとに行先と現在地の間になんの障害物もない平面図を描く。
それを折り畳んで繋げるイメージを持ち、転移した。
正直これだけでは足りなかった。
だから折りたたんで繋げるイメージを作った後、空間を操作して隙間を開けてみた。
これめっちゃつらい。
精密操作が必要でしかも長く繋げられない。
1秒も持たなかった。
まぁ一瞬でも繋がれば、移動できる。
そう考えてやってみたらできた。
ちょっと自分でも驚き。
まぁ僕だからできたんだけどね?
それはそうと、
「拠点作りだ!」
[いや、ちょっと待ってマスター。いろいろ言いたいことはあるけど、今マスターのスキル変わったみたいだからそれだけは言わせて!computerスキルだけど、さっきのことでちょっと常識外のことやったせいで改変を得たみたい。空間操作だけで繋げるなんてできなかったみたいで、勝手に発動したcomputerスキルで繋がるように情報を書き換えたみたい。そのせいでだと思うけど。irregular computerってなったわ。あとついでだけどまたマスターのめんどくさがりが出たのか、プログラムなんて派生も生まれて、一度やった動作なら何度も同じことできるようになったわ。これからは深く考えなくても転移できるわよ。というよりもうイメージ次第でcomputer出てきそうなことなんでもできそうよ。スキルにレベルの概念がなくなったから]
わぁお。何というご都合主義。
まぁ今更気にしてもしょうがない。
なんだって僕だからね!
[わざわざ知らせてくれてありがとう、藍]
[こんなの普通よ]
ほんと助かる、正直いちいちステータス確認すんのだるいしね!
[それよりも拠点作らなきゃいけないんじゃないの?]
「そうだった!」
この高台にも木が生い茂ってらからとりあえず伐採からだな。
魔法でやればすぐだけど、全部消したら材料がもったいないしね。
開拓セットでやるのもいいけど刀術もあげたいから、刀でやろう、型は正直後で司考とirregular computerでどうとでもなる。
とりあえずレベルだけ上げる。
「じゃあ早速.......乱斬...」
そう言って僕が行動を起こした後5秒後......
この高台の木々の半数が丸太になった。
この一瞬で僕は、まず真眼で木の位置を正確に捉え地図に起こす。
そのデータをもとに最適な経路を司考を使い演算。
この作業めっちゃ頭痛い。
僕のステータスじゃまだきつい。
computerスキルで整理。
整理した情報をもとに超反応と転移を利用した高速、いや光速とも呼べる速度で木を的確に斬った。
ヤバイ司考めっちゃ使える。
たぶん僕の知能のステータスをあげればノーリスクでより高度な演算を可能にできる。
たぶんこのスキルに今後めっちゃ助けられると思う。
たぶん人間には使えないスキルなのだろうけどゼウスのおかげで僕の体はおかしなことになっている。
今更だ。
「とりあえず丸太はできた。さて板やら土台やら作らなきゃな」
そう言って次に取り出すのは工具達。
まぁまだ使わないけどね。
まず土台からだ。
まぁこれは簡単。
「形状操作」
僕は地面に手をつけて明確なイメージを流した。
すると、それに反応するように地面が動き出し、含まれていた空気は抜け、切り株達が地面からウネウネと出てきてちょっと圧縮された硬いしっかりとした地盤ができた。
だが設計などしたこともない僕に安定した家は作れない。
ではどうするか?
こんなときこそ司考だ。
「アクセス」
僕はゼウスの知識から使えそうな設計図を引っ張り出して、後は思考から流れてくるイメージ沿わせて、作業を進めた。まずは丸太達を必要な部品に加工。
ネジなんてないから複雑な継ぎ目を作っていく。
ほんとすごいは司考。
どうすればいいのか流れ込んでくる。
そうこうしていると、どんどんと家の骨組みが出来上がっていく。
正直楽しい。
そういえば、学生の頃はものづくりや美術の彫刻の授業がすきだったなぁ。
かれこれ3時間くらいたった。
日が傾き始めてきたがとうとう完成だ。
別荘のような感じの家が目の前にある。
まさかものの三時間でこんな立派な家ができるとは。
後はここの防御面だ。
はっきり言って柵ぐらいでは魔物の侵入を拒めない。
ではどうするか。
結界を張るイメージをした。
....できたっぽい?試しに魔法を打ってみた。
「紫電」
真っ直ぐに飛んでいって.....消滅した。
僕がイメージしたのは害意を拒絶する膜を張る感じ。
まさかこれほど強固なものになるとは...
まぁこれで安心して寝られる。
布団はないけどね。
もう日が暮れたので、あかりが欲しいが、疲れていたのか、家に入ると僕は床に横たわって、そのまま寝てしまった。
[マスターお疲れ様。おやすみなさい]
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「ん...んん?ふわぁーあ」
あれからすぐ寝てしまったみたいだ。
もうあたりが明るい。
とりあえず拠点はできたな。
[おはよう。藍]
[おはよう。マスター]
やっぱり挨拶する相手がいるのはいいね!
今まで独り身だったから、なお実感する。
それはそうと、
「次は食料確保とスキルの進化と自分の身体能力の向上と武器に使う素材の調達だな」
正直農業なんてやってたら時間がもったいない。
運良く果実は昨日の伐採で確保できたがタンパク質がない。
と言うことで狩りをして肉を取りながら体を鍛えることにした。
「ストレージ」
昨日からなにも食べてなかったので、何か始めるよりも先に昨日取れたリンゴみたいなのをかじる。
「うま!めっちゃ甘い!」
僕は鑑定しなくても詳細情報が見れる。
リンゴもどきを凝視して、情報を読み取った。
カプツの実
地球のリンゴみたいなもの。深淵の魔鏡のような魔素の豊富なところで育つ。食べると魔力が全回復する。エリクサーにも使える。
おお!めっちゃ実用的な実!
これは修行中にめっちゃ使える!
一個で満腹になるし、いいね。
あと500個近くある。
一年は飢えないな。
ずっとリンゴは嫌だけど。
次に、自分を強化するために方針決めだな。
僕のスキルはイメージ次第でどうとでもなるらしいし、どう変化したか今のスキルを見て、この先のイメージを固めよう。
「ステータス」
智明「ちあき」
ハイヒューマン (???)
不老不死
レベル324
職業 錬金術師?賢者?
筋力1084
体力2847
知力4036
耐性2576
敏捷2096
魔力5034
EXスキル
万物操作・反転
本人のイメージにより、操作したいものを操れる。
irregular computer
本人のイメージ次第で情報をもとに起こす事象について自由に扱える。
司考
本人の思考能力が極限まであがる。光速思考や、並列思考、集中力向上を実現し、極わずかな時間で様々な演算を可能とした。真眼と合わせることで仮定未来視も可能とする。
固有スキル
超成長・進化・統合 lv5
真眼
スキル
錬金術lv max
分解・化合・整形・付与
刀剣術lv max
剣術・刀術・抜刀術
根源魔法lvmax
魔術
特殊魔法
影・結界
超反応
自分の身体能力によって反応速度が異なる。
称号
常識の埒外 不条理 破壊者 魔物の天敵
あれ?レベル上がってない?いつ魔物倒した?
[マスターが寝ている間に結界に攻撃してきた魔物がめっちゃいたわ。全部即消滅したけど]
うん。
これ寝てるだけで餌でも吊るしとけばレベル上がんじゃね?
けど、まぁ体も動かしたいし、自力でやるけどさ。
後は、スキル壊れ始めたなぁ。
なにイメージ次第って。
いくらでも浮かんでくるぞ。
ドラゴンスタンピードとかふざけたこと起こっても対処できそうな気がするよ。
それより司考だな。
EXスキルになってるよ。
高速が光速になってるし、
僕の頭壊れないよね?
あと、仮定とは言え未来視もできるようになった。
これ絶対めちゃくちゃ頭痛くなるやつじゃん。
そのほか気になるのは...あれ?
錬金術上がってる?
地面いじったから?
後は刀剣術か。
剣いじった記憶がないけど、たぶん超成長がなんかしたんだな。
後は...転移って空間魔法とかじゃないんだ。
まぁ魔力で空間に作用できないか?
じゃあどうやって空間に作用したんだ?
余裕ができたら、魔力について考えてみても面白いかも。
変化がある程度分かったところで....
おおよその分析するか
まず万物操作・反転。
これは僕が認識した事象やたぶん法則まで自在に操れるんじゃないかな?
今は無理みたいだけど。
これ現代日本で学校行ってたらめっちゃいろいろできんじゃん。
うん。ちょっと強力すぎない!
次!
irregular computer 、これは派生してたスキルから憶測するにこの先、ただの情報じゃなくて、この世の理について解析して、改変できるようになるんじゃないか?
感だけどね!
てか、ゼウスに勝つには、今ある法則ぐらい無視できなきゃ通用しないと思うし、とりあえず目標はこの二つの能力を今考えた通りに成長させることかな?
じゃあ、狩の始まりだー!
チュートリアルなのに結構長くなりそうです。
まぁチュートリアルで最強にして、のんびり過ごすようなもの書くつもりなので仕方ないんですが…。