天の知識書との出会い
二つ目の連載小説です。楽しんで見ていって下さい!
「ハァッ…ハァッ…あと少…し…」
鋭く尖る山が連なる山脈、スキャー山脈。
その中に、一段と尖り、周りの山々を超越する高さを持った山があった。
登れば最後、生きて帰ったものはいないと言われるこの山を、ある一人の青年が登っていた…
俺の名はクリム・ベル、俺は、食糧難の自分の村を救うため、この山の頂上にあると言われる天の知識書を目指して、歯を食いしばりながら登っている。
登り始めて約3週間、食料も底を尽きて、フラフラになりながらも進んだ結果…
「やっと着いた…そして、これが天の知識書か…」
やっと着いた頂上には、一つの本が、存在していた。その本は異様なオーラを発しており、これこそが天の知識書だと、俺は直感で感じ取った。
…俺が天の知識書を手にとってみれば、それは見た目とは裏腹にとても軽く、空っ風の一つでも飛んでいってしまいそうな程だった。が、肝心なのはその中身だ。
「待ってろよ母さん…村の皆…俺は天の知識を身に付けて、村を救うんだ…!!」
本を開いた瞬間、本の中から光が満ち溢れ、手から全身へと何かの力が伝わる感覚があった。溢れる光に一瞬目がやられそうになったが、半目を開け、その眩しさに耐えていると、いよいよ本の内容が見え始めてきた…が…
――― 雲の作り方 著者:ゼウ ―――
…は?
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?」