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ミツキとつきあいたい!  作者: 石戸谷紅陽
第1章 始まりのイースターエッグ。
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告白されたい。

ウチの名前は吉川美帆。

みんなからは『よっしー』って呼ばれてる。

今は絶賛先生に怒られる中in職員室。

今日の議題は授業中にスマホいじってたのが先生に見つかっちった。

でも無理じゃない?

スマホ中毒のウチらにスマホいじるなってかなりの無茶ブリじゃない?

先生だって昔無かっただけで青春時代にスマホがあったら絶対見てるわ。

それを自分たちがなかったのをいいことに頭ごなしにキレんなって話。

まぁ愚痴の続きは教室に帰ってからミツキとハラッチに聞いてもらうとして、隣の男子について紹介させて。

今隣で一緒に怒られてるのは同じクラスの松本。

授業中にタブレットいじってるのを見つかって怒られてる。

スマホをこそこそイジるかのようなスタイルで自然にタブレットをいじっていたのを普通に見つかった。

見つかった瞬間何故かびっくりしてた。

見つからないとおもってたのかよ。

説教も終盤だけど昼休みはいつもこれのせいで3割くらい削られる。

怒られんなって話だけどスマホがこの世にある限りウチは怒られる続けると思う。

「次はないからな。本当に没収するからな」

「はいほーい」

「さーせんした」

いつもこの決め台詞で終わりだけど没収されたことはない。

没収って結構大変なことみたい。

大人って面倒ね。

だけど今日は少し違った。

「バツとして今日の放課後校舎周りのゴミ拾いしろ。二人で。」

「はぁ!?」

2人の声が揃った。

「いやいやウチ放課後用事あっし。」

「いやいや俺放課後バイトあっし。」

マネすんなし。

「一時間だけだ。それでどうのって用事もねぇだろ」

ぐぬぬ。その通りだけども。実際用事はないんだけども。

「先生俺はいいよね?バイトはしゃーないよね。」

「泉野には俺から伝えておくから安心しな」

「一番怖いじゃん!」

松本は頭を抱えていた。

ん?なんでそこで泉野の名前がでてくるの?別に気にならんけど。

こうしてウチと松本の放課後の予定は決まった。


教室に帰るとミツキとハラッチがスマホいじりながらおしゃべりしていた。

「もぅ。最悪。放課後ゴミ拾いなんだけど。」

「やっぱり。」

ハラッチがポツリと呟いた。

「え?フラグ立ってたの?」

ハラッチはコクりと頷いた。

「小林先生がごみ多いなって言ってたから、朝」

「せっかくイースターの飾りつけ綺麗なのにゴミのせいで台無しだもんね。」

くそっ。警戒しとくんだったー!。

「これに懲りたらスマホ離れするんだね」

「さっご飯食べよ?」

ミツキとハラッチがお弁当を広げだす。

「えっ?待っててくれたん?」

もう昼休みが始まって20分は過ぎていた。

「当たり前でしょー?」

ミツキがニコニコしながら答える。本当に可愛いやつめ。

ウチはコンビニのサンドイッチとじゃが◯こがお昼ご飯である。ウチのメニューにハラッチがいちゃもんをつけてきた。

「いつも同じ。栄養偏るよ?」

「ハラッチの弁当だって冷食だらけじゃん。それに栄養うんぬん言われたくないー。」

ハラッチは玉子焼きを箸で持ち上げた。

「だって朝ギリギリまで寝てたいし。それに玉子焼きは手作りだし」

ハラッチは中学生の時に父親を亡くしてから母親が朝も夜も働くようになり、家の事は基本ハラッチがするようになった。

ハラッチ自身をバイトしてるし生活は本当に苦しいみたい。

そして小1と弟の面倒もみる立派なお姉さんだ。

だからかな、落ち着いているというかタメには見えないときがある。

「ハラッチ…お姉ちゃんって呼んでいい。」

「はっ?」

「その点ミツキのお弁当は全部手作りなのってすごいよね?お母さんが作ってくれるの?」

ミツキは鼻下を擦りながら自慢する。

「まぁねー!」

ナポリタンにミートボールにチェリーと好きなものだけ詰め込んだ感がすごい。

「いいなー。このラインナップだと夕飯の残りってわけでもないんでしょ?お母さんすごいね!」

ウチは素直に誉めたつもりだけどミツキのリアクションには少し陰りがみえた。

「本当に手の込んだお弁当だよねぇ。ミツキが食べちゃうのが申し訳ないよ」

ミツキもあまり家でうまくいってないのかもしれない。

まあ悩みがない人なんていないし、干渉しないのがウチのモットーなので深くは突っ込まなかった。

ウチは軽く楽しくがモットーなのです。


放課後、松本とのごみ拾いが始まった。

空き缶とか紙パックが多い。

「何でゴミ箱に捨てられないんかね。」

松本が愚痴りながらゴミを拾う。ウチはそだねーと適当に返した。

何度か松本から話題を振ってくれるがそっけなく返してしまう。

一応断っておくが松本に気があるわけでは断じてない。

ウチが好きなタイプは知的で、クールで、だれとでも仲良くなれる男子が好きなのだ。

決して松本のような、バカで、目立ちたがり屋で、友達の少ない男子を好きになるわけがない。

ではなんで今こうして赤面してそっけなくしているかって。

認めましょう。

顔はすっごい好みなの。

ずっごい好み。

でも好きになることはないから。

あんまりこっち見ないで。

赤くなっちゃうから。

勘違いしないで。

男子は女子が赤くなると脈ありみたいな勘違いをするからホント困る。

そんなんじゃないから。

女子は赤くなりやすいだけで顔色ほどなんとも思ってないから!

松本がウチをじっと見ている。

絶対勘違いしてる。

自分に気があると思っているに違いない。

ないないないないないない。

絶対ない。

いつも一緒に怒られてるから多少の親近感はあるもののそれだけよ。

松本に可能性なんて1%もないから。

松本がウチに近づいてきた。

ヤバい。

これコクられるやつだ。

待って。

よく考えればおあつらえのシチュエーションよね、うん。

夕暮れ、同じ事でいつも怒られる2人、春校舎裏の桜の下、夕暮れに染まる2人。

これはくるわ。

絶対告白されるわウチ。

まったくタイプじゃないけど顔だけはタイプだからとりあえず付き合ってあげる、うん。

顔はタイプだしね。付き合ってからあなたのことゆっくり知っていくのも悪くないわ。

さぁ来なさい!

ウチは強く目を瞑った。

すると足元で松本の声がした。

「やっぱり!これ良太のエッグだ。」

は?松本は桜の木の下に置いてあったエッグを手にとっていた。

意気地無し。

びびってんじゃないわよ。

ウチは少しふてくされた。

そっちが勇気でないんだったらもっと告白しやすいシチュエーションをウチが用意してあげるわ。

感謝なさい。

その時うちは一つ気がついた。

「松本、そのエッグってここにあったのよね?」

松本はいい笑顔で振り向いた。

かっこいいなちくしょう。

「このピンクのエッグの横にあったよ」

そのエッグはミツキが描いていたエッグによく似ていたのだ。


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