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ミツキとつきあいたい!  作者: 石戸谷紅陽
第1章 始まりのイースターエッグ。
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早く寝なさい。

あれから3年が経ってミツキは高校3年生になった。

イジメもないし、本当はもうミツキはお役ごめんなのである。

でも美月はこの春から精神科に行き始めたのでだんだんミツキの出番は減るんだと思う。

「一回くらい恋人作ってさ、デートとかしてみたかったなぁ」

そんなことを思っていたら告白してくる男子がいるではないか。

名前は今井良太。

もっさい不潔メガネオタクだけれども、悪い要素の塊だからこそ伸び代はあるかもしれない。

ミツキは美容院に良太をぶちこんでみた。

切れ長なタレ目が特徴的な顔は彼のコンプレックスらしい。

あまり好みの顔ではないけれど彼氏にするならこれくらいで妥協かな?

ミツキは良太に告げた。

「これから毎月ここで髪を切ること。」

良太はこれからミツキの最初で最後の彼氏になるの。

それをあんなテキトーな告白で始めたくない。

やり直しよ。


「イースターエッグどうぞー」

朝の校門で生徒会のメンバーが白いプラスチックでできた卵を配っている。

この学校はイベントが多く、ハロウィンなんかもやったりするほどだ。

受けとる受けとらないは自由だがみんな楽しそうに受け取っているのでミツキも笑顔で受けとる。

「好きなデザインをして校内に飾ってくださいね」

正直ミツキもイベントは好きだから悪い気はしない。

さてどんな柄にしたものか。

教室に入るとみんな明るく挨拶してくれる。

「おはよー。」

基本的に誰かと仲良くするつもりはないけれどよくミツキに話しかけてくれるのは『よっしー』と『はらっち』だ。

来るもの拒まずな生活の結果自然とできたメイク女子グループだ。

2人は美月のイジメ事件を知らない。

このクラスで知っているのは1人。

あの時同じクラスだった『泉野さん』だ。

「泉野さんおはよー。」

「あっ高岡さんおはよう。」

2人にぎこちなさはない。

あの時泉野さんもイジメ主犯のグループにいたけれど彼女1人があのまま状況を作ったわけでもなければ、どうにかできたわけでもない。

2人が気にしてないのだからこの話はおしまいなのだ。

美月はまだ苦手意識が残っているみたいだけれど。

ふと教室を探してみると良太はもう教室の席についていた。

イメチェンした容姿から少し注目が集まっているが本人は気にせずスマホを見ながらイースターエッグに何か描いている。

きっと何かのアニメキャラに違いない。

「あれ?今井?すごい似合ってんじゃん?」

よっしーの評判も上々だ。

面食いのよっしーが言うんだから間違いない。

「やっぱり男子に求めるのは清潔感。」

ハラッチはそう呟くと席に着いた。


担任の先生が教室に入り朝のホームルームが始まる。

朝の出欠確認である。

その時教室に駆け込んでくるマスクをつけた男子がいた。

「はぁ!はぁ!おはようございます!」

先生が呆れた声で促す。

「もう少し早く来なさい松本。ギリギリじゃないか」

「さーせん!ホントさーせん!」

先生は小さく息を吐いた。

彼は松本。

おしゃべりなお調子者で少しクラスで浮いている。

あまりのハイテンションにみんなついていけないのだ。

でも良太が唯一話しができるクラスメイトかもしれない。

おっといけない。

一時間目が始まってしまう。

そろそろ美月に替わらなくては。

おやすみなさい。

ミツキは机に突っ伏してお昼休みまでお昼寝するのでした。


4時間目は国語だった。

ミツキじゃなくても4時間目の国語はキツイかもしれない。

後ろの席から見てもうとうとしている頭がちらほら見受けられる。

私は勉強は嫌いじゃないので授業中眠くなることはない。

みんなが寝るか、黒板か、教科書に視線を注ぐなか1人だけ私を凝視するものがいる。

その視線の主に目を向けると男子は慌てて教科書に顔隠した。

昨日ミツキに告白した今井君だ。

なんなよぉ~もぉ~。

私だって勉強だけしてきた身、彼氏はおろか告白だって初めてされた。

意識するなっていう方が無理。

顔がすごく赤くなっているのがわかる。

これじゃ私が今井君のことが好きみたいじゃない。

今井君は全然好みじゃないの!

全然タイプじゃないの!

私は忍◯まの土◯先生みたいなのが好きなの!

「じゃあここ次の行から読んでもらって今日の授業を終わりにしようかな?えーと、じゃあ吉川。?吉川?」

熟睡していた松本が大きく返事をした。

「?はい!オツベルは!」

「吉川と松本。あとで職員室に来なさい。」

国語教師は笑顔です。

ヤバい。

そろそろ寝ないと昼休みになっちゃう。

いつもならすぐ寝れるのに。

今井君の事を考えるとドキドキして寝られない。

どうしよ。

早くミツキに替わらないと、私よっしーとハラッチは苦手なの。

一緒にお昼なんて考えられない。

寝なきゃ寝なきゃ寝なきゃ。

こういう時は落ち着いて羊を数えるのがいいのよね。羊を数えましょう。

羊が一匹、羊が2匹、羊が三匹、今井もいるよ?

やめて!今井くん出てこないでお願い!

すると右隣の泉野さんから肩をつつかれた。

「高岡さん手紙だよ?」

私宛?いやきっとミツキにだろう。

ミツキは人気ものだしこの教室に私の居場所はない。

みんなミツキが好きなんだ。

早くミツキに体を返してあげよう。

私は手紙を開いた。

『今日の放課後昨日の場所で待ってます。今井』

あれ?昨日ミツキ、フラなかったっけ?


4時間目終了の鐘が鳴った。


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