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ミツキとつきあいたい!  作者: 石戸谷紅陽
第2章 混沌のゴールデンウィーク。
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あんたたちどうなのよ。

「どうなのよ。今井とは」

ヨッシーに詰め寄られる。

「付き合うの?どうなの?」

泉野さんにも詰め寄られる。

お久しぶりです。

ミツキです。

今ミツキはみんなとお風呂に来ています。

ハラッチはお湯に静かにつかり目を細めています。

「あ~。とっても面白い人だよ」

正直ここで語れるほど彼のことをまだよく知らない。

ここ一カ月でおしゃべりしたのなんて数えるほどだし、毎日してるラインはアニメの話ばかり。

美月の方はかなりアニメについて関心がある方でラインを返している。

家では基本的に美月の出番だ。

両親はギャルギャルしているミツキが気に入らないらしい。

学校で美月の居場所がないように、家ではミツキに居場所はない。

だから良太とずっとラインを交わしているのは美月の方なのだ。

勉強が終わった深夜はミツキの時間になり、ヨッシーとかハラッチとやりとりが始まる。

3年間そんな生活が続いていた。

美月は家族以外のラインは絶対返さなかったのだ。

それがどうだろう。

良太のラインは率先返している。

気持ちは分からないがきっと悪くは思ってないはずだ。

ただアニメの話ばかりしているので、ミツキの時間がきても話に入れない。

記憶は共有できているので知識はあるけども、あんなに楽しそうには返す自信はない。

結果、ほとんど良太とはラインもしてないし、学校でも話してない。

そんななか告白され直しても、あの日とまったく変わらないじゃない。

「フッてから仲良くしだしたのはどうして?」

「まんざらでもない的な?」

告白のこと二人は知ってるのか。

ミツキはだれにも言ってないから良太が教えたのか。

ふられた話を他人にできるあたり意外と強心臓である。

いや彼のことだからズレテいるだけか。

それともやっぱりミツキのこと本気じゃないから……

「ふったんじゃないの。あまりにいい加減な告白だったから無効にしただけ。」

話したこともないのに好きになれるわけがない。

それは今も同じだ。

「告白にいい加減もなにもないっしょ。」

「どんな告白だったの?」

恋バナとなるとぐいぐい来るなこの二人。仲悪いくせに息ぴったりだ。

「無効だから言わない。とにかくミツキたちはまだなんでもないの」

そうまだなんでもないの。まだ始ってないの。ミツキは。美月は……

美月は始まって……

「まあ今井くんチキンだけど頑張ってるもんね。髪型とかおしゃれしちゃってさ。」

知ってる。

「そうそう。あたしのとこにバイト始めたのもミツキに釣り合う人になるためーと言ってたし」

うれしい。

「今日の水着もなかなかおしゃれだったよね。ありゃ今日の為に買った新品だよ絶対」

「えっ。吉川さんそんなマジマジ見てたの?引くわー」

「んなっ!!」

良太がおしゃれしようとしてくれてるのは全部ミツキの為だ。

美月の為じゃない。

それが嬉しい。

だからそれ以上を望んでしまうミツキはわがままなのかな。

美月ならもうつきあってもいいって思えるのかな。

そうだったらいいな。

もしそうなら……

「もうミツキいらないもんね」

ミツキはそう小声で漏らした。

きっと誰にも聞こえてない。

ミツキはこれ以上漏れてしまわぬよう、そっと口を両手で押さえた。

「そんな真剣にみてるから松本の腹筋ごときでうろたえるのよ」

「んあっ!!」

「やだやだ。ヤンキー女はとんだ純情むっつり女だったてわけね」

「ママママママ松本の腹筋でうろたえたんじゃないですぅぅぅぅぅ。男子にじろじろ見られるのがいやだったんですぅぅぅぅぅぅぅ」

「はっ!今井の前じゃスタイルに自信とか言ってその主張の激しいおっぱい突き出してたじゃない。」

「そおそっそそそそういうあんたはどこいってたのよ。あんただってプールで突然いなくなってたじゃない。」

「?!それは!」

「おおかたあんたも松本の筋肉に……」

「それはない!絶対ない!」

「正直に言いなさい。あんた松本のことっ」

「ない!ないないないないない!絶対ない!誰があんなナルシスト」

ミツキも加勢しよう。さっきの仕返しである。

「じゃあさ。どうして二人でスライダー探しにいったのに一人にしちゃったの?」

「ミツキ~。裏切り者~」

ごめんね泉野さん。やっぱりミツキもこういうの好きなの。

「えっ?二人で?」

なんか違うほうに流れ弾が。三角関係って面倒ね。

「それは……そのぉ……」

泉野さんが珍しく赤面している。

男勝りなところのある子だったから初めてみる一面だった。

「あいつが。あたしのね?そのね?言わなきゃだめ?」

「ダメ」

「だめ」

「DAME」

「安原さんまで?!」

観念なさい泉野さん。

泉野さんはもじもじしながら答える。

「あいつが。その。水着がよく似合うねって。き、きき綺麗だよっていうから。急には見られるの恥ずかしくなって」

あ~~~~。これは。思わぬ。


「ウチは言われなかった。一言も。」

ミツキは思わぬ地雷を踏んだのかもしれない。

「泉野は松本のことどう思ってんの?」

「わかんない。ほんと!ホントにわかんないの。」

「ウチはね?抜け駆けとかそういう言葉使う奴ら自体嫌いだけどね?そう思われるのも癪だから今宣言するわ」

ヨッシーは湯船から立ち上がり泉野さんに指を指した。


「ウチ、今日松本に告白する。牽制でも脅しでもないわ。」

泉野さんの瞳が小さく揺れる。

「ウチは松本が好きなの。あなたはわからないみたいだけれど?」


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