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「おかしい、なぜ現れない?」


 俺は今、深遠の森に来ていた。

 いつもなら、もうグランドドラゴンが現れる頃合いのはずだが、なぜか今回はまだ現れていない。


「・・・罠か?」


 いい加減、何度も何度も現れる俺がうっとおしくなってきたのか?

 グランドドラゴンは、森の奥に俺をに誘い込み、逃げられなくしてから俺を殺そうとしている?

ふっ、いくらなんでも考えすぎか。


 だが、ならなぜ、グランドドラゴンは現れないんだ?


 当然、グランドドラゴンが現れない方がいいに決まっているが、そんなことはありえない。


「どうする?一度引くか?」


 どのようにしてかはわからないが、今までグランドドラゴンはこの深遠の森の奥に進めば必ず現れていた。


 朝、昼、夜、明け方、時間をずらそうとも、侵入経路を変えようとも、姿を消す魔道具を使おうとも、魔物に気付かれなくなる装備をしようとも、魔物除けの魔道具を使おうとも、必ずだ。


 だが、今回は現れていない。


 もしかしたら、ちょうど今グランドドラゴンが不在なのかも知れない。


 今回はあくまでも偵察のつもりで来た。

 その為、ただ死なないための装備、グランドドラゴンから逃げるための、生き残るための準備しかしていない。


 この装備で森の奥まで進んでいくのは不安だ。出来れば一度帰還して装備を整えたい。


 だが、こんなチャンスはもう無いかもしれない。

 これを逃したら、ここで引いたら、もう一生手に入れることができないかもしれない。


「・・・進むか」


 だが、警戒は最大限に、違和感を感じたらすぐに装備を発動して撤退だ。

 ここで死ぬわけにはいかない、まだ何も果たせていないからだ。

 まだ時はある、焦るな、慎重に。


 それを念頭に置き、俺はゆっくりと深遠の森の奥に進んでいった。






「どういうことだ?」


 おそらく、グランドドラゴンの住処であろう場所についた。

 だが、そこにもグランドドラゴンはいない。


「分からない、だが、好都合だ、俺が探し求めるものはきっとここにあるはず、今のうちに見つけ出そう」


 俺は物色を開始した。

 開始してすぐ、俺の探し求めるものが見つかった。


 黒よりも暗い、闇よりも深い、この世の悪意を詰め込んだかのような禍々しい輝きを放つ結晶だ。


「これ、か?これ以外にはありえないか、ふ、ふふ」


 ついに見つけた、見つけた!見つけ出した!


「ふ、ふはは、フハハハハ!ついに、ついに手に入れたぞ!フフフ、フハハハハ!なんと禍々しい!さすがは魔王の力だ!」


 俺は慎重に、結晶に触れないよう、布で何重にも包み、それを木箱に入れ、その木箱をさらに宝箱に収めた。


「よし!よし!1つ!やっと1つ手に入れることができた!これで1歩前進だ!」


 っと、喜ぶのは後にするか、すぐに撤退しよう、いつグランドドラゴンが戻ってくるか分からないからな。


 俺は他の財宝等には目もくれず、すぐさまドラゴンの巣を後にした。






「よし、これで最低限は手に入った、1つでもあれば器の覚醒は可能なはず、ふ、フハハ、フハハ、フハハハハ!」

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