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第40話 ボス戦 1

 この初心者のダンジョンの中ボス後の魔法陣は[スティール・アイテム]だった。

 そして、ボスは超剛金鐡肢マークⅣだった。


 一見全く関係ないように見える。でも、実はかなり関係している。むしろ魔法陣が攻略のヒントになっていたのかもしれない。


 ボス部屋に入ることはできない。ボス部屋に入ろうとすると大音量が襲いかかってくるからだ。


 つまりボス部屋に入る前に超剛金鐡肢マークⅣを動けなくして仕舞えばいい、それで全て解決だ。


「ピィ!ピィー(シャキーン!ヒューン)」


 ピィナーは楽しそうにロボットの真似をしている。


「・・・えと、入らないの?」


 ミルタさんは不思議そうに僕を見ていた。


「ああ、入らない」


 まずはボスの無力化が先だ。

 ボスを無力化してから部屋に入れば、あの大音量に襲われることはないからね。


 ボスの位置は覚えている。ボスは待機形態に毎回戻っていたから、部屋の中で動き回ってはいないはず。

 だからさっき見た位置にまだいるだろう。


 同じ部屋にいないから、ここからボスにダメージを与えることはできない。

 でも、今はダメージなんて与えなくていい。

 無力化をすればいいだけだ。


 超剛金鐡系の魔物は魔石もあるけど、コアメタルと言う物で動いている。コアメタルって言うのが超剛金鐡系の魔物の動力源になっている。


 つまりコアメタルがなくなれば、動けなくなるというわけだ。


 このコアメタルと言う物は、物だ。

 物であるなら盗めない通りはない。


「これより行なうは禁じられた技、他者より奪う盗賊の秘技、我が狙うもの、貴様の元から消え去り我が前に現れん、[スティール・アイテム]」


 僕の手元には、何かの金属が現れた。

 多分これがコアメタルだと思う。


 これで超剛金鐡肢マークⅣは動けなくなったはず。

 つまり、今ボス部屋の扉を開けても、あの大音量は襲ってこない!僕の勝ちだ!


「準備は整った、さあ始めよう、俺の勝利で終わるゲームを」


 ・・・でも、少し不安だったから僕はそっと扉をあけて見た。


 ・・・大丈夫?大丈夫だよね?不意打ちでいきなり大音量が流れてくるなんて無いよね?良し!

 

 僕は扉を全開にして、部屋の中に踏み込んだ。


 ボス部屋の中心には待機形態で動かなくなった超剛金鐡肢マークⅣがいた。


 名前 グレートレッグΩ


 種族 超剛金鐡肢マークⅣ


 LV 25


 HP 195276/195276


 MP 0/0


 超剛金鐡肢マークⅣは死んだわけじゃ無い。ただ物理的に動けなくなっただけだ。


「・・・あれ、動かない?」


「ピィ?(シャキーンは?)」


「この魔物はもう動かない、すでにコアメタルは抜いているからな」


「・・・コアメタル?」


「この魔物の動力源のことだ」


「・・・えと、これでダンジョン、終わり?」


「ああ、あとはこの動かなくなった魔物を倒せばダンジョンクリアだな」


「・・・そう」


 勝負は、始まる前から勝敗が決まっているものだ。

 お兄ちゃんがそう言っていた。


 本当にその通りだ。


 部屋に入る前、コアメタルを抜いた時点でボスは動けなくなった。

 動けない敵に僕が負けるなんてことはありえない、つまりもう勝負はついている。

 この戦いは僕の勝ちだ。


 いや、むしろこれは戦いとは呼べないだろう。動けない敵を倒すだけ、蹂躙だ。


 勝負にすらならないと言っても過言では無い。


 言ってしまえばあとは作業のようなものだ。


 コアメタルを抜いてしまえばこの超剛金鐡系の魔物は本当に何もできなくなる。


 攻撃も出来なければ、変形も出来ない、自爆すらできない、言ってしまえばただの置物に成り下がる。


 ただの置物を倒すなんて、訳ないだろう。


 さて、どうやってこの動けない置物を倒そうか。

 ただ殺気を込めて殴り続けてもいいし、[サンドボール]で多段ヒットを狙ってもいい、[グラビトン]でHPを1にしてから1度攻撃して倒してもいいな。


 この超剛金鐡肢マークⅣのHPだと、自動回復とかが無ければ、僕は79回攻撃すれば倒せる。


 うーん、79回は少し面倒くさいな。[サンドボール]でもいいけど、[グラビトン]ならそれほど書く時間はかからないし、[グラビトン]を使おうかな。


 僕は、動けなくなった超剛金鐡肢マークⅣに向かってスキルを発動した。


「加重せよ、全ての物体に作用する引力、[グラビトン]」


[グラビトン]は動けない超剛金鐡肢マークⅣに当たった。

 動けない敵に当てられないはずないからね。


 これでもう超剛金鐡肢マークⅣのHPは1に・・・あれ?


 名前 グレートレッグΩ


 種族 超剛金鐡肢マークⅣ


 LV 25


 HP 195276/195276


 MP 0/0


 HPが減っていない?どういう事?なんで?

 もしかして割合ダメージが効かない?いや、そんなことあるはずない。


 なんでだろう?


「[サンドボール]、[アディション][ディスアセンブル]」


 今度は[サンドボール]で攻撃してみた。

 動けない敵に攻撃をしているから、かなりの数を当てることができた。


 流石に79発は当てれていないだろうけど、これで!


 名前 グレートレッグΩ


 種族 超剛金鐡肢マークⅣ


 LV 25


 HP 195276/195276


 MP 0/0


 ・・・え?なんで?なんで1ダメージも食らってないの!?おかしいよ!


 今度は僕は殺気を込めてそのまま殴りかかった。


 でも、何度殴ろうと、何度蹴ろうとダメージが入らない。


 どういうこと?どうして?

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