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第34話 夢 2

「おお!アルター、久しぶりだな!何ヶ月ぶりだ?1ヶ月くらいだよな?用事は終わったのか?」


「まだまだかかるね、どう?あれから強くなった?」


「いんや、全く強くなってないぜ」


「え?冒険者になったよね?魔物と戦ったりしてないの?」


「確かに俺は冒険者になった、いや、ならされた、だけど、最初の依頼を片付けて以降はギルドに近寄ってすらいないぜ」


「えっと、どうやって生活してるの?てっきり冒険者になったんだから依頼を達成してお金を稼いでいると思ったんだけど」


「ああ、近くのパン屋さんに住み込みで働かせてもらってるんだよ、ほら、あそこの店な」


「へ、へぇー、・・・強くなる気はないの?」


「今のところはないな、平和が一番ってな」


「そう、後悔するかもしれないよ?」


「そん時はそん時さ」


「・・・」


「ーーーーさーん!ヤッホー!」


「おいカレン!そんなところに登ったら危ないぞ!また滑って転がり落ちるだろ!降りてこい!」


「だーいじょうぶですよー!ほらー、あら、ひゃー!」


「っと、ほら言わんこっちゃない、にしても、ナイスキャッチ俺!」


「あ、あわわ、はわわ!」


「ん?あ、悪い悪い、すぐ下ろすからな」


「・・・」


「あ、ありがとうございますーーーーさん」


「いいよ、ま、どうせ落ちても怪我しなかっただろうから、俺がやったことは無駄っちゃ無駄だがな」


「そ、そんなことありませんよ!ーーーーさんのおかげで、えっと、うーん、あ!服が土で汚れることが防げました!」


「お、おお、それは良かったな」


「はい!良かったです!」


「良かったぜ!イェーイ!」


「イェーイ!」


「・・・随分と楽しそうだね」


「ん?どうしたんだアルター、そんなふくれっ面して」


「べつに、ふくれっ面なんてしてないよ」


「いや、してるだろ?プクーって頬が膨らんでたぞ?なんか不満なのか?」


「別に、ーーーーが強くなろうともしないで女の子を口説いているのが不満とかじゃないよ」


「ん?別に口説いてないぞ?」


「ふーん、そうなんだ」


「な、なんだよ」


「・・・強くならないと後悔するよ」


「アルターはいつもそれだな」


「・・・もう、知らないから」


「あ、おい待てよアルター!悪りぃカレン、またな!」


「はい!またです!」






「あれ、こっちにきたと思ってたんだけどな、違ったか?アルターいねぇな、どこ行ったんだ」


「・・・」


「まあ、今日は遅いしパン屋に帰るか」


「・・・」






「今のままじゃダメだ、っく、もう時間がないのに、僕はいつまで耐えられるんだろう・・・ごめんーーーー、僕は君が強くなるならなんだってするよ、たとえそれが、君の大切な人を殺すことだとしても」






「[緊急事態発生!緊急事態発生!多数の魔物がこのレイルガルフに迫ってきている!冒険者!特に上位冒険者はすぐにギルドに集まれ!一般市民はとっとと町の中央にでも集まっとけ!邪魔だ!]」


「え?街に魔物?そんなことがあるんだな、俺も一応冒険者ってことになってるからギルドに行ったほうがいいのか?戦いなんてできないけどな」






「チッ、上位冒険者がたったこれだけしかいねぇのか!シュンゴクはどこ行った!」


「どうせぇー、まだハースブルクから戻ってきてないんでしょぉー、シュンゴクは仕事おっそいからねぇー」


「・・・無能」


「シュンゴクは慎重すぎていかんですよ」


「ならセイゲンは!」


「どうせぇー、スチーカイナでぇー、まぁた失敗してるんでしょー」


「・・・無能だらけ」


「セイゲンは杜撰すぎていかんですよ」


「なら他の奴らは!?」


「そんなの知らないわよぉー、どうせぇー、ヘーゲルンは食べ過ぎで動けないとかでぇー、シェイラはどこかの宿で寝てるんじゃないのぉー?ほかもにたようなものでしょー」


「・・・無能軍団」


「ヘーゲルンは暴食すぎていかんですよ、シェイラは堕落しすぎていかんですよ」


「チッ、こんな大事な時に、どいつもこいつも!なんで高位の冒険者どもはクセの強いやつだらけなんだ!」


「でぇー、どうするのぉー?街囲まれちゃってるんでしょー?」


「ならメーテルは西をやれ、ガラマードは東だ、ウィンター、お前は中央で町全体の魔物の掃討をしろ、俺は北をやる、・・・南がいねぇ、ウィンターは絶対魔物をまとめて殲滅させたほうがいいだろうし、あと一人、あと一人いてくれさえすれば」


「・・・無い物ねだり、無駄」


「チッ、そうだな、よし、南は他の戦える冒険者全員で当たってもらう、後、戦えねえ奴、魔物が怖え奴、戦いたくねぇ奴は邪魔だ!街で非戦闘員の避難の手伝いでもしてろ!」


「数だけいてもいかんですよ」


「だが他にいい方法がないんだ、やってもらうしかねぇ、聞け!ここは俺たちの街だ!俺たちの住処だ!魔物なんかに蹂躙されていい場所じゃねぇんだよ!この街には戦えねぇ奴だっている、そんな奴らの命を背負って、俺たちは戦うんだ!死ぬな!勝て!魔物どもに後悔させろ!自分達が何処を攻めようとしているのかを、自分達の愚かさをわからせてやれ!行くぞ!」


「「「「「うぉぉぉーー!!!」」」」」


「勝利は俺たちのものだ!」


「「「「「敗北は貴様らのものだ!」」」」」


「栄光は俺たちの手の中だ!」


「「「「「挫折は貴様らにくれてやる!」」」」」


「俺たちが守るんだ!」


「「「「「俺たちが倒すんだ!」」」」」


「行くぞ、突撃!」


「「「「「おおおお!!!!!」」」」」

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