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<著者ブログ5/9/19>ダンジョンという常識の謎

最近のラノベを読んでいると、ダンジョン物がすごく多い。それもダンジョンが山や森や洞窟、街の地下、タワーなどに自然発生したりするのが常識のようになってしまっている。


日本語のダンジョンって何だろうと検索してみると、どうやら入り組んだ迷宮のような場所で、怪物がランダムに発生して探索する冒険者を襲ってくる場所の総称のようだ。


このダンジョンという言葉が一般的になったのは1970年代のことらしい、AD&D (アドバンスド・ダンジョンズアンドドラゴンズ)というゲームがアメリカで大流行した。若き日のトム・ハンクスがそのトレンドを描写した1982年に「トム・ハンクスの大迷宮」というTV映画に出演している。原題は "Mazes and Monsters" で、「迷路とモンスター」なのだが、トム・ハンクスがどこから来たのやら。


当時は、ダンジョンは本来の意味で使われていたと思う。大きな城の地下に建設された地下通路で、敵や囚人を閉じ込めておく地下牢や土牢のようなものがある。


ここに勝手に化物が住み着いて、それをパーティーを組んで探検し、化物を倒し中ボスを倒し、ラスボスを倒すというボードゲームがAD&Dだった。モンスターを倒したらドロップ品があったり、ラスボスを倒すと宝が手に入ったり、パーティーに僧侶や魔法使いがいたりなどするのは、今のRPGと同じで、コンピューターで遊ぶRPGの原型がこのゲームだ。


人気のあるゲームでそれから数多くのゲームが派生することによって、地下通路だけでは飽き足らず、洞窟や塔や砂漠などあらゆる場所を舞台とするRPGが登場し、それらすべてがダンジョンと呼ばれるようになったようだ。これも、AD&D がこの世に出る30年も前に書かれた J. R. R. トルキーンのロード・オブ・ザ・リングの影響があるのだろう。その舞台は、木々のモンスターが歩き回る深い森だったり、ドワーフの城があった岩山の奥であったりしたのだから。


もちろん、本来の言葉の意味とはまるで異なるのだが、どうやらアドバンスド・ダンジョンズアンドドラゴンズのおかげで、言葉の意味が変化したようだ。


それにしても、Lord of the Rings 邦題のロード・オブ・ザ・リングもいささか奇妙だ。人間の王達、ドワーフの王達、エルフの王達が持つ力のリングがいくつもあり、そのすべてのリングを支配する力を持ったワンリングの支配者がいたというストーリーなのだから。the のような日本語では意味を持たない定冠詞を邦題に使っておきながら、なぜリングを単数にしたのだろう。

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