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【S】―エス―01  作者: 三吉亜侑
1/2

第一部‐始の記憶‐

 

 ――もう、ずっと昔。



 僕らは通じ合えていた。目に映し、触れる全てのものを互いに共有していたんだ。



 僕が初めて見たのは、冷たい暗がりに揺らめく仄かな光だった。



 暗闇に幾度となく飛び交う蝶。それは、決して常人には見えない言の葉。



 宛てなき言の翅が、ひらり、今日もまたひとつ。



《ねぇ……――》





 誰かの呼ぶ声がした。



 鼓膜を震わせたびたび響くその声は、優しくて……でも、どこか寂しいもの。



 真っ暗で冷たい空間の中、その声だけが独りぼっちだった僕に安らぎを与えてくれた。



 けどある時、その安らぎを打ち消してしまうほどの声が、頭に響き渡る。



《――――目ざめろ!》



 君は、誰……?



 突き動かされるように重たい瞼を、僕は――




 

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