そして鬱な少年は目覚める
不定期投稿となります。一応、毎日投稿目指します。
R15と残酷描写は一応です。
夢を見ていた。
少しだけ昔の夢を。
昔と言うほど昔でもないけれど。
そう。あれは中学の卒業式。
僕は親友を裏切り、裏切られた。
悠久の絆、と中二病っぽく信じていた絆が、簡単に崩れたあの日。
そして、決意したんだ。
もう、親友なんて、友達なんて、
……いらない。
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「おっはよー!」
「……うるさい」
「もう、お兄ちゃんは今日から高校生なんだよ? ほらほら、起きて起きて」
「……面倒だから風邪ひいた」
「堂々と仮病してないで起きる!」
バッ、と僕の掛け布団が剥ぎ取られる。
掛け布団で隠れていた僕の顔が朝日に照らされる。
「目が、目が〜!」
「どんだけ朝に弱いのよ……」
「そうは言うがな妹よ……僕はお前みたいに朝型ではなく夜型なんだ……」
「そういう生活習慣を少しは改めなさい! ……みんな、心配してるんだからね」
そう言われると、僕は何も言えなくなる。
今も昔も味方でいてくれる家族に、必要以上に迷惑をかけたくない。
「……着替えるから出てけ」
「りょーかい! それじゃ、おはよ、お兄ちゃん」
「ああ、おはよう」
妹が僕の部屋を出るのを確認してから、僕は着替えを始める。
今日は高校の入学式。
新しい袖に腕を通し、気慣れた中学の制服とは違ってまだ少し硬い感じが残っている制服を慣らすように少し動かす。
さて、もし他の人達なら、高校の入学式の日にどういう事を考えるだろう。どういう事を感じるだろう。
新しい人間関係に思いをはせるだろうか。親しい人とまた一緒に通える事を楽しみにするだろうか。また一回り難しくなる勉強に嫌な顔をするのだろうか。先輩からまた後輩という立場になる部活に悩むだろうか。新しい生活環境に緊張するのだろうか。
だけど、僕はただ一言。
朝になったことを告げる太陽を恨めしく睨みながら言った。
「……頑張りたくない」
“嘘”次回予告
ここではキャラたちに次回予告を適当にやらせよっかなーって思ってます。本編と関係あったり無かったり(基本無い)、まあ作者の暇つぶしとしてやっていくつもりなのでスルーしていただいて大丈夫です。
次回からやります(この予告は本当です)。