ミィナとシィナ
沈黙が広がる、夜のシィナの部屋。リュイに部屋の説明をしてもらった後のミィナは何かに導かれるかのようにここに来ていた。
「どうしたの。眠れないの。ミィナちゃん。」
優しそうに尋ねるが、目が笑っていない。
「シィナ様は詩姫の第二位ですよね。」
大人びた
否、魂の抜けたような虚ろな声で尋ねた。
「そうよ。」
と威厳に満ちたというより遊び半分に偉そうに言ったという方が正しそうな声で答えた。
ミィナはさっきより虚ろな声で
「何を捨てたの。」
と尋ねた。
「ミィナちゃん。私、何も捨ててないわよ?」
おどけた様に、何かにおびえた様に答えた。
「そんなわけない。シィナ様もリュイ様も修練について話すときは虚ろだった何かに怖がっていた。」
「何のこと?」
必死に道化る。
「分かっているはずよ。私が何を聞いているか。」
「・・・・・・・・・・・・。」
何かを唱えミィナに向けて手を伸ばす。
コトンという音とともにミィナが倒れる。
・・・・・・。寝ている。
「分かっているわ。私が捨てたものなくしたもの。」
すすり泣く声がする。
「分かっているけど、その問いは眩し過ぎるの。大切なものをなくした、私ににとって」