二人目 ジョン
隣にいた新人が、魔族のファイアバレットを受けて焼け死んだ。魔族の魔法は直撃しなくても、体のどこかに当たるだけで服に燃え広がるため、即死しなくても焼け死ぬ事が多い。その点では、即死できた新人は幸せだったかもしれない。
基本的に敵を攻撃するときは、壁から顔と杖だけ出すのが基本だ。体をさらせば、敵の攻撃に当たりやすくなるだけだ。そんな基本的なことも知らないやつが前線に毎日送られてくる。いちいち、新人の死亡を気にして病んでいたら、こんな場所に居られないだろう。
「ちっ、使えねぇ新人を送ってきやがって! ジョン、お前がそいつの分まで耐えろ!」
「了解です、リーダー」
パーティメンバーは大体5人位だ。それ以上になるとリーダーが把握できなくなり、指示しきれなくなる。今の俺たちのパーティは、リーダーと俺、ヒーラーと新人2だ。今一人死んだから、残り4人になるな。新人も、即死じゃなければヒーラーに治してもらえたのだろうが、新人に期待していないリーダーだから、見捨てられた可能性も高いか。
「暗くなってきたな。そろそろ今日の戦闘は終了だろう。最後まで気を抜かず、指示したら後退するぞ」
「了解」
暗くなったら戦闘は終了だ。暗い中で魔法を撃ってもまず当たらない。それに魔力も有限だ。明日に備えて魔力を温存したほうがマシだろう。魔力が切れると気絶するし、気絶しなくても頭痛がひどいからな。
この日は、何とか魔族の進行を抑えることができた。俺たちのパーティは、新人一人だけの犠牲で済んだ。これが良かったのかどうかは、他のパーティとの比較でしかないが良かった方だろう。大抵、数日に一人は慣れているはずの中堅ですら死ぬからな。
新人は大抵毎日死ぬから、すぐに補充が来るだろう。補充の利かないリーダーや、戦争に慣れたベテランや中堅、希少なヒーラーが被害に合わないだけで幸運なのだ。
「おい、リサ。怪我人の手当てだ。回数を熟せば同じ魔法でも効果があがるし、使えば魔力も増える。気絶しない程度に味方の傷を癒してこい」
「分かりました」
リサはヒーラーの名前だ。ヒーラーは少ないから、パーティにヒーラーを入れられるところは珍しい。リーダーは口は悪いが実力はある。だてに10年も前線で生きているだけある。それどころか、英雄だと言われている。英雄は、人族のレベル限界を突破した者の事を言うが、レベル自体は自分でも見ることはできないから他人と比較するしかないがな。まあ、確かに戦闘時のリーダーの動きは人間やめてるわな。




