舞踏会で(クズ)婚約者から婚約破棄されました
「アリサ・ハスコール! 君との婚約を破棄させてもらう!」
王家主催の舞踏会。
そのブレイクタイムに、私アリサ・ハスコール公爵令嬢は、十年婚約していた王太子オスウェル・リ・ヒューソン様から婚約破棄を告げられた。
突然始まった婚約破棄劇に困惑する貴族達の中。
そんな中、怯えた顔で彼に寄り添う義妹、青ざめる国王夫妻、そして面白がっている両親をそれぞれ一瞥した私は静かに頭を下げる。
ついにきたわね。
それじゃあ、我慢しなくてもいいわよね。
「謹んでお受けいたします……クズ婚約者様」
「は?」
ゆっくりと顔を上げた私は、溜め込んだ鬱憤を全て吐き出す。
「三年前、学園入学時にあなたは『卒業後は君と結婚する。だから、学園に通っている間、僕の自由にさせてほしい』って言いましたよね?」
「そうだな」
王太子の返事にざわめく会場。
まぁ、このクズは今まで上手く立ち回って浮気を隠していたから当然の反応よね。
「結果、私を放置して数多の令嬢方と浮気三昧でしたね」
「そのお陰で、僕は真実の愛に辿り着けた」
「オスウェル様……」
潤んだ瞳で元婚約者に縋り付きつつ、勝ち誇った笑みで私を横目で見る義妹。
まぁ、それも今のうちでしょうけど。
「『真実の愛』……その言葉、毎週のように聞きましたわ。それも、義妹以外の令嬢達に対して」
「毎、週? それも、他の女にも?」
絶句した義妹がそっと元婚約者から離れる。
やっぱり知らなかったのね。
「今夜も、私ではなく義妹をエスコートしてファーストダンスを踊った後、他の令嬢方とも踊っていましたわね」
「王太子として、他の貴族と交流するのは当然の務めだろ?」
「そうですね。私への仕打ちと踊った全員が浮気相手でなければ」
その瞬間、会場の空気が凍りつき、彼と踊った令嬢達が一斉に彼を睨みつける。
こっちも知らなかったみたいね。
「それでは、失礼いたしますわ」
今宵の舞踏会は、デビュタント前の子息令嬢でも当主同伴なら参加できる特別なもの。
きっと、忘れられない夜になるわね。
「さて、勘当と処刑の前に国外逃亡しないと」
「なら、僕の国へ来ないかい?」
「……え?」
隣国の皇太子殿下の一言で、私の運命が静かに大きく動き始める。
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