マユミ
そんなこんなで、私達はもちろんフィリアでの戦いに勝利。
今では、ノヴァは私の恋人から夫となり、毎日甘々な生活を送っている。
「マユミ。今日の朝食ですよ。」
「う~ん。やっぱりその‘マユミ’って名前しっくりこないな。」
「だからって自分の妻をマスター呼びする夫がどこにいるんですか。あなたの本当の名前なんですから、それを呼ぶのが道理でしょう?」
「う~ん、でも本当に懐かしみの無い名前だから、自分の名前だって認識しにくいんだよね~。」
「ふふふ。」
マスターとして接していた頃とは違って、ノヴァは私によく笑顔を向ける。
あー、あの小説に書いた通りだ。
…?
…あの小説?って…
「ほら、マユミ。あなたの大好きないちごサンドですよ。最近忙しくて、まともに私のご飯を食べてくれなかったですからね。」
笑顔で私の口に、いちごサンドを押し付ける。
「モギョ!」
ノヴァの作る料理は、どれも確かに美味しいんだけど、いきなり口に突っ込むのはやめてほしいところだ…。
「…何か、考え事をしていたんですか?」
ノヴァの鋭い瞳がじっとりと私に向けられる。
…何を考えていたんだっけ?
「いや?特に…?」
「さぁ。では、今週の出征予定を報告しましょう。」
「はいはい…」




