この愚図共がぁ!そんなお前らに2つも選択肢を作ってやった!戦場で死ぬか!今ここで死ぬか!(※ヒロインです)
ノヴァの言っていた通り、グレーダスでの戦は1時間で終わった。
想像以上にギルド兵達は強いらしく、1人として息を切らしていない。
「戦績は。」
ノヴァが労いの言葉もなしに、直球に聞く。
「第1部隊130。死者なし」「第2部隊50。死者なし」「第3部隊293。死者1」________
部隊で取った首の合計と、部隊の損害を淡々と述べる。
「だ、第6部隊、42。死者…3」
おや。最後の部隊の戦績が著しく悪い。また、勝手に口が動いた。
「この愚図共がぁ!そんなお前らに2つも選択肢を作ってやった!戦場で死ぬか!今ここで死ぬか!」
「「「「「「「戦場で死にます!!!」」」」」」」
「よし!もし、次の戦が終わった後に第6部隊の1人でも残ってみろ!私が直々に首を刎ねてやろう!さぁ!次の戦場へ行くぞ!」
*****
フィリアでの戦いが始まった。戦況を見ていると、確かに敵との戦力差が10倍にも及んでいて、数の暴力に、ギルドの精鋭達も苦戦しているようだった。
「ノヴァ。出なさい。」
「……」
ノヴァの返事がない。
先ほどの戦で、兵達は確かに疲れた様子は見せていなかったものの、確実に疲労は蓄積している。その上で勝率は1%。負けるわけにはいかない。最終兵器が必要なのだ。
「行け、と言っている。」2度目の命令に、ノヴァは大人しく
「了解。」
と、戦場へと出ていった。
お得意の氷魔法で次々と敵の首を切り落としていく。
戦場一帯が赤色に染まる中、真っ白なスーツに返り血の一つも浴びないノヴァは、戦場から少し離れた山の上からもよく目立っていた。
「…あれ?」




