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ドン底鍛冶屋が転生して気づいたら、最強でした  作者: 高本 元史


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第十八章 王命と工房会議

初めての小説です。温かい目線で読んで頂けると嬉しいてす。

アイディアがうかんでは、新しい小説を書いているので投稿頻度が遅い事をお詫びします。

学生ながら頑張ってます。読んでいただけると幸いです。

流星工房の前に、馬車の列が止まった。

王の紋章を掲げた旗がはためき、甲冑に身を包んだ騎士たちが整然と並ぶ。

その威容に、街道を通る人々は皆息を呑み、遠巻きに視線を注いだ。


「……まさか、本当に王が来るとはな」

剛は炉から手を離し、汗を拭った。

緊張した面持ちでセレナとリュシアも後ろに並ぶ。


やがて馬車の扉が開き、威厳に満ちた壮年の男が姿を現した。

豊かな金糸のマントを纏い、鋭い眼光を持つその人物こそ――グランフィール王その人であった。


「お前が……噂の鍛冶師、鏡山剛か」

「はい。……《流星工房》の主、鏡山剛です」


剛が淡々と頭を下げると、王は興味深そうに剛を見つめた。

「その力、王都にまで噂が届いておる。異国の者でありながら、前線を支えるに足る武具を打てると……」


従者が箱を運び込む。箱の中には、星鉄、古竜の鱗、魔獣の骨や革といった最上級素材がぎっしり詰まっていた。

ただの商人では一生触れることすらできぬ宝の山。


「これは……」

セレナが息を呑む。リュシアも目を丸くして素材を凝視した。


王は一歩進み出て言い放った。

「剛。王国の近衛兵に相応しい武具と防具を作れ。素材はこちらで用意した。

 納期は急がぬ。ただし、妥協も許さぬ。国の命運を担う兵を守る装備だ」


剛は短く答えた。

「……承知しました」


王はそれ以上何も言わず、満足げに頷くと馬車に戻っていった。

従者と騎士たちが続き、街道は再び静けさを取り戻す。


♢ ♢ ♢


夕刻、工房の奥。

炉の火が赤々と燃え、積まれた木箱の影が揺れていた。

剛、セレナ、リュシアの三人はその前に腰を下ろし、今後の方針を話し合っていた。


「王命とはいえ、この量……普通なら数年がかりですね」セレナが冷静に言う。

「でも、王はそんな悠長なのを待つつもりじゃねえだろうな」リュシアが肩をすくめる。


剛は箱の中の竜骨を見つめ、静かに口を開いた。

「……まずは槍からだ、そして鎧、盾、最後に余りで剣を作る」


「槍?」と二人が同時に声を上げる。


剛は頷く。

「槍兵は部隊の基盤だ。敵の突撃を止めるのも、最初に倒れるのも槍兵だ。

 まずそこを強化する。それが全体の戦線を支える第一歩になる」


セレナは目を伏せて考え、やがて微笑む。

「合理的です。守りを固めながら攻めにも転じられますね」


リュシアも笑みを浮かべる。

「いいね。私みたいな斥候も前で動きやすくなる」


剛は立ち上がり、槌を炉の縁に置いた。

「決まりだ。最初に打つのは――《古竜の骨槍》だ」


その名を口にした瞬間、工房の空気が一層張り詰めた。

伝説級の武器が、ここから生まれようとしている。


剛の瞳に燃え盛る炎が映り、その奥には揺るぎない決意が宿っていた。

完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!

モチベーションががあがると、寝る間も惜しんで執筆してしまいます。

これからも、よろしくお願いします!

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