「有国、保胤を揶揄するも、速記のことだとすれば当たっていること」速記談6039
慶滋保胤が編纂した庚申の序の中に、庚申待ちの信仰は昔の人が守ってきたものであり、今の人も守っているものである、などと書かれている。藤原有国卿は、昔の人が守ってきて、今の人も守っている、多くの人が守っているのだというのは、当たり前のことで、取り立てて言うほどのことではないのに、随分重々しく言うものだ、とこれを揶揄した。しかし、速記のように、昔の人が守り、今の人が守っていなければ、既に滅んでしまったかもしれないもののことを考えると、保胤の言っていることは、それなりに重みがあるといえば、ありあり。
教訓:有国は、保胤のことが嫌いなのかもしれないが、どうでもいいことに絡んでくるのは、構いたいのかもしれない。