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21XX年、人類は、木星の衛星の1つに移住することを開始した。理由は、単純明快、地球が住めなくなったからだ。もともと、地球温暖化で、住める土地が少なくなってきていたのだが、人口爆発による問題から各国の戦争が激化、ついには核戦争となり、大部分の地球は住めなくなってしまった。
私は、その中で、この移住するにあたって派遣された建設作業員の一人である。
「おーい。林さん。そっちの木材を運んでおいてくれ。」
「はい。今やります。」
という感じで、この惑星の木を伐採、伐採の毎日。その惑星の空は、地球とは違い、淡い紫色に染まっていた。遠くには巨大なガスの帯がゆるやかに流れ、まるでその場に静止しているように見えた。林は汗を拭いながら、重い木材を慎重に運ぶ。空気は薄いが、新しい基地のために必要な資材を整えることが彼らの使命だった。
「まったく、こんな遠い星まで来て、結局やってることは地球と同じじゃないか。」林はぼやいた。だが、仲間たちは黙々と作業を続けている。この地では無駄口を叩く余裕などない。酸素は限られており、環境維持装置が停止すれば、数分で全員が命を落とす危険もある。
しかも、最近、得体も知れない動物(といっても、地球じゃないからそういう動物いてもおかしくないが)の報告事例もある。高い報酬と移住権のためとはいえ、なかなか危険な環境だと思う。ただ、地下での地球の生活よりは希望があると思いたい。
そんなことを考えながら、今日もまた1日の作業を終え、基地へ帰ろうと同じ班員とともに歩いていたところ、一人の少女と出会う。
「やあ、君はxxxxxxxxxswfss。こんにちは。」
先住民なのだろうか。私たちとは違い、酸素マスクをしていないし、それに、寝巻きのような恰好をしていた。
「どこかでお会いしましたか?」
「うん。君には、いつかお世話になるよ。だから、挨拶しておこうと思ってね。」
そう言って、消えてしまった。疲れているのだろうか。他の班員たちも何も見ていないと言っており、
どうしたものか。