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冒険者のクリスマスキャロル  作者: 羽牟 星
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ある女のクリスマスキャロル

ある女のクリスマスキャロル。


別に珍しくもない話さ、

女が一人で生きていくなんて、

生臭い事も何でもやったよ。


若いころは、それなり・・・。でもないね。

10人並の一番最後に並ぶくらい。


結婚しようなって行って来る男なんて、碌なの居なかったなぁ。

女に貢がせようとするやつらばっかり。

一緒に苦労しようと言ってくれるいい男は居なかったね。


気が付けば酒場の給仕、

飯盛女はとうに卒業、遣りて婆ぁは嫌だったし。

針仕事は多少できたけど、それだけで食べていけるほどの腕は無し。


まぁ、忙しい時だけの女給と、針子の二股でやっとだね。

でも、この年に成ると、さみしいねぇ。

一人身が応えるよ。


最近、街中の浮浪児の兄妹、と仲良く成ってね、

お昼を食べたりしているんだけどね、

勿論、私のおごりさね。


何とかしてやりたいけど、私も生活かつかつ。

子供の収入当てにする訳にはいかないからね。


まあ、当てにできる収入があの子らに有れば

浮浪児はしてないね。


あははのは、だよ。私もおめでたいね。

でもね、妹の方が、お針子の才能がありそうなんだ、


それでね、今私は、住み込みのお針子なんだけど。

そこの旦那がね、二人の話をしたら、

察してくれたんだね。いい男だよ、こんな男がいいねぇ。


じゃなくて、二人を私が引き取っても良いと言ってくれたんだね。

住み込みのお針子の食事、まかない

やっていた婆さんが、御隠れに成ってしまったんで、


食事が出なく成っていたんだけど、

そこで婆さんお代わりに、賄をやって暮れれば、

奥に住んでも良いと言ってくれたんだ。


これは、家付き、食事付き、しかもただ。

飛び付いたね。


針子の他に食事作って、掃除をして、子供らと一緒なら出来るね。

早速子供らを探したけど、見つからない。何処にもいない。

知り合いに色々聞いたけど、全然見つからない。


女給の朝仕事の時間が来たから、

探すのは一旦、中止。


女給をしながら、なじみの客のに子供らの事を尋ねたけど、

見つからないねぇ。


でも諦めずに、聞いていたら、三角巾で左腕を吊った男が、

診療所に浮浪児が二人来ていたと教えてくれたね。


「金どうするんだべな?」何て言っていたから、

すぐにでも飛んで行きたかったけど

食堂が一番忙しい時間だから、動けない、仕方ないね。


主人に少しだけ早く上がらしてもらって、

急いで診療所に向ったけど、

クラムと言う冒険者が連れ帰ったとの事。


治療師は年配の方で、えばっている様で、

とっつきづらくて、嫌ですね。


先生が来る前に帰ったとの事ですので、

先生に聞く事は有りませんね。


下働きのだと思う女の人に話を聞くと

昨晩、妹の方が、熱を出して、路地の奥で丸く成っていたのを見かけて、

連れて来てくれたそうです。お金も冒険者の方が出したと言う事でした。


朝に成って、症状が落ち着いたので、連れ帰ったそうです。

その男の人の事を聞くと、

クラムと言う冒険者の方で、40歳くらいで、信用のおける人らしい。


この街に長くいるそうだから、きっと顔を見れば分かりますね。

下働きの方に聞くと、男の子に仕事を教えると言っていたそうですから

良かったです。本当によかったです。でもどうしてこんなに涙が出るの・・・。


診療所を出てからも涙が止まりません。

街中を年配の女が泣きながら歩いているなんて、

本当に見っとも無いね。でも涙が止まりません。


公園のベンチまで歩いてきて、そこに座って、泣きます。

分かって居ます。子供たちの安全が分かったからではなく、

一緒に暮らせると思った子供たちが居なく成り。


やっぱり私は一人だと言う事を突きつけられた事が

悲しいんです。後、一日早ければ、あの子達と暮らせたのに。

やっぱり、間が悪いこれが私の人生なんですね。


もう、終わった事です。

仕事にお針子の仕事に行きましょう。


ベンチから立ち上がり、泣きはらした目を隠す様に下を向いて、

お針子の職場、古着屋に向います。


次話:ある兄妹のクリスマスキャロル


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