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第1話 初の海外旅行、いざカナダへ

思えば北海道での4年間の生活がこのカナダの一人旅を決心するきっかけだった。札幌に滞在した4年間に北海道各地を旅した。ユースホステルをメインに100泊ほどはしたであろう。


 札幌での役割を終えて東京に戻ってから一度はカナダに行ってみたいと思うようになっていた。

 会社が吸収・合併されたのを機に退職を決めた。仕事は最後まで忙しく英会話を勉強する時間はなかった。

 有楽町にある旅行会社に数日間足を運び手続きは完了した。


 カナダだけに絞ればバンクーバーまでの往復ティケットで済むのであるが、アメリカ本土、ハワイ諸島経由と欲張ったので正規の乗車賃となり割と高かった。

 大まかな予定として、カナダに3か月、アメリカに1か月と考えた。

 カナダドルは1ドル=217円だった。かなり円安だ。130万円ほどでカナダドルのトラベラーズチェックを購入した。

     

 2月17日、東京羽田を20時に発った。誕生日の4日前、20代最後の誕生日を海外で迎えたかったのである。

 国際便でも国内では日本語でスムーズに通過、当たり前だ。

 機内では隣席の外人さんに早速話しかけられる。奥様、お嬢様との家族旅行で、赤坂郵便貯金ホールでのコンサートの帰りのようだ。南アメリカからのシンガーとの事。

 私が英語で話したのは、”How old is she?" と熟睡している赤ちゃんの事を尋ねたぐらいで、あとは彼が一方的に喋ってくれた。


 日本〜バンクーバーの時差は17時間である(日本が先行)。到着は定刻で同日の11時だ。所要時間は8時間だった。

 これから入国管理、税関があるが大学入試に初めて上京した時以来の緊張感あり。その前に予備管理があって、あまりに英語が下手なのがモロだと見えて入国管理、税関では日本人の少し年配の女性を通訳に付けてもらえた。そのおかげでスムーズに第一関門通過。ご主人は青山学院大学の教授とのことでした。


 エアーポーターでバンクーバー駅に向かう車内からの家並みは、商店名は全て英語で(当たり前だ)、異国情緒満点なり。

 駅で荷物を預けたのは良いが、無事にバンフで受け取れるのか気になり何度も"Banff?"と聞き直した。バンフで再会した時はほっとした。


 列車は夕方発の寝台車だがコンパートメントになっており、車掌がベッドメイクに来るまで座席で待機である。ところがまたまたミス。車両を一つ間違えたようで隣の車両まで案内された。

 恥のバラまきはこれで治まらず、食堂車でも注文の仕方が分からずもたもたし、"I want something to eat" と話し、何とかエサにありついた。

 バンフに到着した後分かったんだが、車内食堂でもティップは要るようだ。てっきりホテルやレストランだけかと思っていた。

 寝台は日本のと比べてかなり広く楽ではあったが、やはり海外一日目は緊張しているとみえなかなか寝付かれなかった。


 翌朝、車掌が座席を元に戻してくれた。車窓から外の景色を見てみる。森がずっと続いており一面銀世界である。森と河と雪のバランスがなかなか良い。

 森の樹はほとんどが杉のようだったが、後で分かったがアメリカ杉だそうだ。


 何はともかく、無事バンフには到着した。やれやれだ。これから1か月はバンフの街に滞在し憧れのカナディアン・ロッキーで存分にスキーを楽しもう。

 ここでは難しい英会話も必要ないだろうし、出発する時には少しは慣れてるだろう。



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