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74.極・悪役令嬢

 


 12/25



 俺と雪は金見さんとの決着がつくまで、二人で遊ぶのをやめようと決めていた。


 だから雪とクリスマスに会うこともないし、デートする事もない。

 まあ、仕事が忙しすぎて、もとより遊ぶことなど出来ないのだけれど。


「......なにしてるんだろうな」


 やっとの思いで休憩を挟み、コンビニで買った珈琲をあおる。

 芯から冷える体をとかすように、喉を潤す。


 ――ほうっ、と吐く息は白い。


「今日は何時に帰れるんだろうな」


 雪の事を考えると、胸が締め付けられた。


 ......でも、去年のクリスマスは、まさか雪と金見さんとこんな風になるとは思わなかったな。


 人生なにが起こるかわからない。身をもって体感中だ。まるで小説のようなこの話を。



「あの」

「おおっ!?」


 ふと見ると、赤いコートのニット帽を被っている女の子が側にいた。こんな近くに人がいことにも気がつかないとか、疲れてんな。



「ど、どうしました?」


「......」


「?」


「......あなた」


 じーっと、こちらを見つめる女の子。ってか、めっちゃ可愛らしいな。


「......はい」

「少しお話してくださいませんか?」


 話?誰だこの子......コートから覗いてるのは、学校の制服。学生さんか。

 すごく綺麗な子だな......ハーフ?


 いや、そんな事はいいや。少しくらいなら、休憩としても大丈夫だろう。多分、きっと。


「大丈夫ですけど、えっと......どこかでお会いしましたか?」

「どこかで......ふふ。 ええ、一度だけ。 物語の頂点で」


 頂点?なに言ってるんだ?


「えっと......」


「困らせてすみません。 私、あなたの事をこちらのコンビニで何度か見かけてましたの」

「あ、ああ......(結局、物語の頂点ってなんだ?)」


 しかし、不思議だな。なんだか、この人......前から知っているような、そんな気がする。


「それでなんですが、ひとつ」

「はい......? 何でしょう」


「あなたは、恋愛というものをしたことがありますか?」


「......」


 な、なに言ってるのこの人。


 え、それ聞いてどーすんの?


「ああ、ええ。 これは、特に変な意味ではありませんよ。 あなたの趣向をお聞きしたかっただけなので......」

「趣向......恋愛をしていたらと、何かあるんですか?」


「私は、次の作品をあなたを屠る強力なモノとして産み出したいんです。 なので、ささるかなぁって......ほら、恋愛をしている人って、恋愛モノを読みたくなるでしょう?」


 ......この人、もしかして



 俺が戦ったことのある作家か!?


 誰だ......?


 この人には俺が誰かわかっているのか?......いや、わかっているんだ。だから俺の話を聞きにきた。


 今、コンビニで会ったのは、たまたまかもしれないけど、この人はおそらく俺を知っている。


 ――物語の頂点?


 なろうでのトップ争い?......Akino?



「ふふっ、そう警戒しないでくださいまし」

「......君は俺が誰かわかっているの?」


「noranukoでしょう?」



 ......な、なんで



「私、鼻が利きますの。 あなたは私と同じ匂いがする......そこに存在価値をみいだし、命を注ぐ......危なくも美しい、命の匂い」


 にぃっと、綺麗な顔を歪め俺の目を見据えた。


 いや、エスパーかよ!と内心ツッコミをいれたが、彼女の独特な雰囲気と空気に、そんなツッコミは不粋極みと俺の心が発言を静止していた。


 ......合わせるか。



「ああ、そうさ......俺はnoranuko。 君はAkinoさん?」

「ええ、私はAkinoよ。 よろしくね、noranuko」


 この人は俺が一位の座を奪うまで、悪役令嬢モノの小説でトップに君臨していた人、つまり悪役令嬢モノを極めし者。


 ならば、先ほどのノリ......中二な感じでいこうか。


「よろしく、悪役令嬢を極めしAkino」


「!? だ、誰が悪役令嬢よーっ!!!」



 ――ビクッ



 あ、いや、そうじゃなくて......




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