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【完結】陰キャデブな社畜、知らぬ間に美少女VTuberを救う。   作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑥巻発売中!》


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71.誰が為の戦い

 


 ――いつものように多忙な業務をこなし、体感的には一瞬で過ぎる仕事が今日も終わりを迎える。


 精神をすりへらし、体も疲労感におそわれ、へとへとになりながら歩みを進めた。


 は、はやく帰りたい......。


 そんな思いを一心に、配達車を走らせ、職場への帰路へとつくのだった。




 車を車庫へと入れ、気がつく。また......多分、金見さんが残っている。

 車を降りると、やはりというべきか金見さんが現れ、頭をさげた。


「お疲れ様です」

「お、お疲れ様です......」


 この間の事があって、つい身構えてしまう。今日はなんの話だろう......怖いな。何となく。

 そんな失礼な恐怖心を抱いていると、金見さんが話を進めた。


「あ、あの......葉月さん」


「は、はい! ......何ですか?」


 何か険しい顔をしている。また、何かやらかしたか?

 いや、違うな......この間の話もあるし、金見さんも俺と話しにくいのかもしれない。


「ちょ、ちょっと......お聞きしたい事が」

「聞きたいこと? 何ですか?」


「コミケって何ですか?」


 ......ん?


 コミケ......意外な質問がきたな。けれど、それがどういうものかわからないってことは......雪絡みかな。

 もしかして、勝負が関係してる?


 ......とにかく説明しよう。


「えーっと、コミケって言うのは、コミックマーケットの略称で......」


 金見さんにコミケの説明を俺の知る範囲でした。すごく興味深そうに彼女はうんうんと頷きながら聞いている。


「......って、感じの奴です! 俺の説明でわかりましたか?」

「ありがとうございます! 成る程、皆でモノを売るんですね!」


 両の手のひらを合わせ、可愛らしくお礼を言う金見さん。

 まあ、うん、モノを売るんですから間違いはないですね!


「良かった、俺、説明下手だから......それで、何かあるんですか? コミケで」

「全然下手でないです! すぐわかりましたよ!」


 親指を立て、ウィンクをする金見さん。ぐはっ!破壊力が......戦闘力を測るアレが爆発して粉々になるレベル。


「えっと、コミケの事を聞いたのは......この間の、勝負が関係してまして」


 ああ、やっぱりか。コミケで勝負って、金見さんにも何か書いてもらうのか?

 それ、勝負にならないんじゃ。あまりにも雪が有利すぎるのでは......いや、金見さんの絵なら通用するか?


 うーん、わからん......。


「成る程、勝負が。 それで、どんな内容の勝負なんですか?」


「えっと、真城さんからの提案で......真城さんと葉月さんの共同製作したモノを私が見て、それで私の想いが動かなければ、私の勝ち、です......」


 何とも......凄い勝負だな。でも、これはこれでアリなのか?

 金見さんの気持ちの問題でもあるし、そこを変えられなければ......いや、変えられなくても本当なら良いんだ。


 でも、多分雪は金見さんとも仲良くしたい......だからこの勝負の方法にした。


 ......けど、金見さんの気持ちに依存した勝負だ。人の心を動かす、ましてや恋敵である相手の気持ちを動かすなんて、恐ろしく難しい事だぞ......?


 ......勝てるのか?



「成る程、それが勝負の内容......」


 上目遣いで金見さんが問う。


「......葉月さんは、聞いてなかったんですね。 勝負、これで大丈夫ですか?」


 大丈夫かどうかと言われれば、大丈夫ではない気がする。


 でも、雪が決めた事なら......。


「大丈夫です。 がんばります!」


「......はい」


 金見さんは少し寂しそうに笑った。




 金見さんが先に帰り、俺は仕事の残りを片付けていた。


 いや、そうだよな......これは雪と金見さんだけの問題じゃないんだ。


 だから、雪は二人で作り上げたモノで勝負をしたかったのかもしれない。


 二人で......作り上げた。


 ――その時、ふと思った。


 ......これって、俺の小説を作った時と似てるな。俺の小説に雪が協力してイラストをつけてくれた......。


 たくさん頑張って、辛い練習もして、本業であるVTuberも必死にやりくりして......俺、めちゃくちゃ支えられてたんだよな。


 今、それを返す時じゃないのか?


 俺も同じく、努力して必死に雪が勝てるように、金見さんの心を揺さぶるような......話を書く。


 そうか......これは俺の想いも試されているんだ。



「二人で、勝とう」



 二人の未来の為に。






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