表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】陰キャデブな社畜、知らぬ間に美少女VTuberを救う。   作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑥巻発売中!》


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/113

62.お風呂は?

 


 ――......ん、むぉ。あれ、俺いったい......。


 目を擦りながら眼鏡を探す。部屋はもう暗闇に包まれていて、探り当てた眼鏡かけつつ、朧気な記憶を辿る。


 あ、そうだ......俺、ぎっくり腰で......。


 寝たまま体を少し動かしてみる。


 あ、腰の痛みが少しひいていてる。これくらいの痛みなら、明日は仕事へ行けるな、良かった......。


 腰に貼ってある湿布に温もりを感じる。眠りにつくまえ、雪が貼ってくれたこの湿布、立っているのも困難な程の痛みがこれだけ治まってしまったのは、きっと湿布本来の効果以上の力があったに違いない。そんな気がする。


 コンコン


 扉をノックする音が聞こえた。雪か。


「どーぞ」


 ガラッと引かれたドア、そこから雪が顔を覗かせる。


「一樹、どう? 痛いのおさまってきた......?」

「うん、お陰様で......ありがとう。 俺、いつの間にか寝ちゃったんだね」

「ふふ、湿布貼ったあと安らかなお顔でスヤァしてたよ。 ズボンあげるの大変だったよ......ぐへへ」


 ゲスな顔でニヤリと笑う雪。それでもいやらしく見えないのは、雪のお顔がそこら辺のアイドルやモデルよりも整っているからなのか。

 そして俺はそのフリに乗っかった。


「ズボン!? え、エッチ!! 雪の変態っ!」


 両腕で隠すように、自身の体を抱き締める。


「はっはっは! このこっそり撮った秘蔵の写真をばらまかれたくなくば、雪さん可愛いー! 大好きー! と言え! はっはっはー!!」


 ええええ!?


 いや、今日の雪、すげーテンション高くないか?......てか、どうする、このノリのまま言った方がいいのか?

 うーむ......けど、これ言わなかったら言わなかったで、なんか雰囲気がおかしくなる気が。


 うぐぐぐ......ええい! そういう流れなんだから気にする必要ないよな!?

 変に意識するな、大人の余裕を見せつけろ!!空気を読むだけ、それだけだ!!




 ......よし、えーと



 よし



 よしよし




(ふーっ、すー、はーっ)




 よし......




「......雪、さん......かわ、かわ......かわわ」



 ......あ。



 いや、「かわわ」って何!?


 つーか、無理!無理無理、無理!!いくらなんでも無理だ、好きな人に面と向かって可愛いとか言えないよ!!恥ずか死にするわ!!

 空気的には言うべきなんだろうけど、ノリと勢いで言うのはなんかちがくないか......?


 そんな事を考えながら、ふと見ると雪はその「かわわ」だけでも赤面していた。いや、恥ずかしがるんかい!言わせたのあなたなんですが!


 心なしか雪の口がにっこりしている気がする。


 よ、よし、それじゃあこのレスバトルは俺の勝ちということで良いな......さて、用意していただいたご飯をいただきましょうかね。いや、マジでドキドキした~。


「......あ、あのさ」


 雪がもにゅもにゅしている口を開いた。


「な、なに?」


 雪、声震えてる......めっちゃ可愛いな~。とか思いながら俺の声も震えてる件。大人の余裕()とは。


「今日、お風呂入るでしょ? 沸かせといたよ」


 お風呂か。確かに仕事で汗かいてるけど、この腰じゃあ体を洗うのは難しいな......せっかく沸かせてくれたのにあれだけど。


「あ、ありがとう。 ......でも俺、腰こんなだし入れないかな。 あれだったらせっかく沸かせてくれたし、雪入っていっても良いよ」


 いや、良くねえよ!言いながら内心自分自身へツッコミをいれた。

 男一人が長年つかってた浴槽にどうしてこんな可憐な女子へ入浴をすすめられると言うのか。

 えええ、きもっ!とか思われてないかな。ちょー心配なんだけど......ちょべりば(死語)☆ミ


「あー、そ、そう? じゃあお言葉に甘えて......」

「え、あ、お、おう」


 ええ、はいるんか!?......ま、まあ、最近くそ寒いからな。俺の部屋だってそんな暖かくもないし......風呂で暖まりたくなったのか?

 まーね、せっかく来てくれて色々としてもらってるんだし。家にあるもので何か出来るんなら是非とも使ってって貰いたい。


「......あのさ~」

「?」

「一緒に入ろうよ」

「......?」

「いや、だから、一樹の体も洗うなり拭くなりしないとじゃんか」


 まあ、そうね......は?


「いや、まあ......それは自分でやりますよ」


 は?なんだこれ、ワンチャン一緒にバスタイム?まじで?

 あれ、俺まだ夢見てる?現実だよね、これ?


「自分じゃ拭けないとこあると思うし......一緒に入ったほうが楽じゃない? 私、水着持ってきたし!」


 み、水着!?マジで?


「え、水着......あ、いや、どうかな......座ってるだけでも辛いし」


 何やねん俺!!!下心と裏腹に、ここぞとばかりジェントルメンを気取り出した自分へふたたびツッコミをいれる。

 ほんとは入りたいのに!雪とお風呂はいりたいよ!!水着見たいよ!!!


 変なことしたりしないから雪の水着がみたい!!


「......そか、りょーかい。 ごめんね、変なこと言って」


「あ、いや......こっちこそ、せっかく気を遣って貰ったのに」


 うわああああああ!!せっかくのお風呂&水着イベが......!!


 は、そうだ!「煩悩」は......「煩悩」よ、今こそ俺に力を!!!我に水着を!!!


 俺は、かつてない願いの強さで「煩悩」の召喚を試みた。


 だがしかし、その時、雪の背後に三つの影......「煩悩」、「理性」、「心配」がいた。


 そして「煩悩」は「理性」によって羽交い締めにされ、「心配」にサンドバッグにされていた。



 煩悩「ぐふっ、あ......がっ、は......す、すまねえ......一樹......俺は......もう、だめだ......」


 ガクッ



 ぼ、煩悩おぉおおおおおーっ!!!!




【とても大切なお知らせ】


少しでも面白い、先が気になる!続きはまだか!と思って頂けたら、広告の下にある

☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援していただけると励みになり執筆へのやる気につながります!


ブックマークもすごく嬉しいので、よければお願いします!


たくさん読んでくれてありがとうございます!PV、評価、ブックマーク、全てが力になっています。ありがとー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ