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【完結】陰キャデブな社畜、知らぬ間に美少女VTuberを救う。   作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑥巻発売中!》


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53.作戦会議

 


 雪さんと家へ戻ると、玄関の扉を開いた先に土下座待機していた太一がいた。

 それはそれは見事な土下座だった。


「雪......ごめんね?」


 なにこれ、言い方可愛いじゃん。


「い、いいよ、お兄ちゃん。 私も、変な事で怒って......ごめんなさい」


 ......雪さんもこの状況にツッコミを入れないってことは、これ(土下座)はこの兄妹間では普通なのか。


「雪、ありがとう」

「......お兄ちゃんも、私がイラストの練習してるとき助けてくれたし。 だから、もう良いよ」

「ああ、切り抜き......」


 切り抜き?あまり話が見えないが、二人も仲直りできたみたいで良かった。


「すまんな、一樹。 またごたごたと......」

「ううん。 むしろ良かったよ。 雪さんの事を知れたから」

「私のこと? ......ん?」


 首をかしげる雪さん。


 隣からカチカチカチと音が聞こえ、みるとまた太一が恐怖で震え上がり、歯を鳴らしていた。

 あー、やっぱり部屋みるのは無しだったか。と、全てをさとりフォローする。


「雪さんが俺のみてないところでたくさん頑張ってたんだって。 太一が教えてくれたんだよ」

「......そ、そうなんだ」


 照れくさそうに体をよじる雪さん。隣の太一を横目でみると、言葉にもできないような満面の笑みを俺に向けていた。

 ああ、大丈夫だ、太一......俺ら戦友だろ?任せとけよ!



 そして作戦会議。ゲームしながらだらだらまったり決めるのも、楽しくて良いが、コミケまでの時間があんまない。

「まあ、そもそもゲームしてる場合じゃないんだが?」と言う雪さんの言葉で、クラッシュブラザーズとかBLごっこをしてる場合で無いことに気がついた。


 俺もコミケの話したいとは言ってたけど、実際問題ふつーに太一とゲームで遊んでたしね。


「そうだ、雪さんはどういうラブコメが良いとかあるかな?」

「ラブコメか~、そうだよね。 ラブコメやるって決まってたもんね......うーん」

「一応、せっしゃと一樹は幼なじみモノが良いのではないかと話していてな」

「幼なじみか。 イイね! 私も幼なじみ好きだよ。 密かな恋、もしくはいつも一緒にいた子がいつの間にか恋愛対象に変わっていた......ああ、なまらきゅんきゅんする」


 不意をついて出るその方言。「なまら」にどきりとしてしまう。それと同時に太一との会話を思い出す。


 あ、そだそだ!方言!


「雪さん、それ、今のやつ!」

「ん、今の?」

「方言だ、雪」


 目を見開き、口をおさえた雪さん。


「あ、え、は、恥ずかしい」

「いや、恥ずかしくないよ!」

「お前、VTuberで方言まるだしだべ」

「あ、そだ......や、なんか指摘されるとはずい」

「ああ、ごめんなさい。 えーと、その、雪さんは方言つかったほうが良いもの出来そうって、二人で話していて......」


 両手をぱちんとあわせ、成る程というように頷く雪さん。


「ああ、コミケの作品の話か!」

「そーそー、コミケ作品の話よ」

「うんうん! どうかな、幼なじみもので、方言をつかうの」


 いいねえ!可愛いかも!と彼女の反応は好感触だった。


「でもさ、練習したいな」

「もちろん、練習はしないとな。 ......ん、ああ。 成る程」

「......?」


 なんだ?太一が何かに気がつきぽんとパーにグーで手のひらを打った。


「一樹、練習させてくれないか?」

「? なんで俺に言うの? まあ練習はしたほうが良いのかもだけど」


 雪さんが、「えっと......」と言いづらそうに口を開く。


「あー、その......一樹さん、私とね、その......幼なじみの練習をしてほしい」


 おれ!?


 驚く俺に太一が理由を説明する。


「俺はお兄ちゃんだからな。 残るは一樹だけだから......頼めないか? 年も近いだろ、雪と」


 雪さんと年が近い......?


「「??」」


 俺と雪さんが顔を見合わせる。


 ? 雪さんって、確か前に聞いた時は20歳とかだったよな?俺は33......あれ、そういや太一に年齢教えたことあったか?


「太一、俺......何歳だと思ってるの?」

「え、23、24とかじゃないの?」


 ......うわ~、マジかよ。これは、ここにきての実は33歳のオッサンでしたは、good-byeオッサン宣言になりかねないぞ?どーしよう、めっちゃ怖いんだが。


 こんなに仲良くなれたのに......俺と太一との関係は崩れてしまうのか?


「お兄ちゃん、一樹さんめっちゃ若く見えるけど33歳だよ?」


 心配する俺の心情をよそに、さらりと彼女は言ってのける。


「え!? 33歳!!?」


 どくんと血が巡る音が聞こえた。大切なモノを失うのでは?という緊張で若干の吐き気が。


「......ご、ごめん。 隠すつもりはなくて」

「いや、マジかよ! どーりで若いのに堂々としてるなーと思ってたわ! そっか~......まあ良いか!」


「だよな......って、え?」


 俺が間の抜けた声を発すると、太一は頭上に「?」を浮かべていた。


「えっと......俺、33のオッサンなんだけど」

「ん? それが? つーか、そもそも33ってオッサンなの? てか、見た目完全に20代前半なんだがww若作りしすぎww」


 予想していた反応と違う。もっと、雰囲気が悪くなるかと思ってたのに......全然気にしないのか。

「それが?」か......嬉しいな。


 そんな太一の温かみを感じていると、会議が再開され、これからの方向性が決まった。


「よし、じゃあ雪、一樹! お前ら二人はこれから一週間幼なじみだからな」


「うん!」

「あ、はい(え、まじでやるの?)」





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