47.もうひとつの作品作り
『......あ、もしもし。 えーあー、えと、生きてますかnoranukoさん』
生気のない声色に逆に白田さんは生きてますか?と聞き返したくなったがここは堪えた。
「......生きてまうよ」
かんだ。あたしも、もうダメみたい。
『良かったです。 えーと......とりあえず報告を。 まず、原稿の件なんですが、おっけーです。 これでいきましょう』
あ......マジで。
この時の解放感は今まで生きてきた中でもダントツであった。苦しかった......でも、これで自由になれるんだな。
気分は地下労働施設で働かされていた奴隷だ。
けれど、これで俺の原稿が......良かった。本当に、完成して。あとは......
『そしてもうひとつ。 絵師さん......彼女がうちを受けに来ましたよ』
「おお、本当ですか! えと、結果は......?」
『えーと、まだなんとも。 今は上の人達で会議していますね。 しかし採用は間違いなしでしょう』
マジで!?やったああああ!!これで夢が叶う!!
『あ、でも困った事もありまして......』
「困った事......って?」
『彼女のイラストの社内評価が高すぎるんですよ』
「? えと、それが何か」
『ラストファンタジアではなく、他のラノベのイラストを担当させようなんて声が出ているんです。 ほら、noranukoさんはまだデビュー前じゃないですか。 だから、知名度のある作家につけたら売り上げが伸びるんじゃないかって』
あ、そっか。あー、なるほどな。俺がまだ駆け出しのぺーぺーだから、レベルの高い絵師はもったいないと......えーと、ふざけないでくださいまし?
「それは、困ります......白田さん、俺の話を覚えてますか?」
『......あ、いえ、覚えてますよ。 ただ、そう言う話が出ているという事を伝えたかっただけです』
「......じゃあ」
『ええ、そうですね。 あなたがたは私の出した条件をクリアし、更にその上、前とは比にならないレベルの力を身につけていただきました......なので』
白田さんの空気がかわったきがした。
『必ず、私があなたの絵師につけてみせます』
力の込められた、言葉。
「......ありがとうございます。 白田さんが担当に来てくれて本当に良かった」
『あはは、でもあれですからね。 これから末永く作家として頑張っていただきますからね。 あなたの作品は必ずヒットする......させる。 だから、これからもよろしくお願いしますね』
「こちらこそです。 俺、続きがんばります」
『頑張ってください! 私も全力で頑張りますから......あなたがたを信じて!』
「......! ありがとうございます!」
本当に、心の底から思える。この人が俺の担当にきてくれて良かった。
『では話が決まり次第、お知らせします......ゆっくりと休んでください!』
「はい、ありがとうございます! 白田さんもあまり無理しないでくださいね」
『え、あ......はい! お気遣いありがとうございますね!』
ふう、さて。次は......コミケの作品作り。俺は真城さんと白田さんを信じてる。だから今度はこっちに全力を尽くす。
しかし恋愛ものか。どーいうのが良いのかな......文字数は1500~5000と言っていた。
その中で物語を展開し、オチをつける......人気のワードを考えてみよう。
幼なじみ、妹、お姉さん......ハーレム?学園物?
人気のでそうなのはなんだ?どーいうストーリーを構築すれば喜んで貰える?
一度真城兄妹と話をしてみるか。
てか今気がついたけど、恋愛ジャンルってファンタジーモノよりみてもらうハードル高くないか。みてもらう時、恥ずかしさで悶えそうなんだけど。
......ま、まあ、引き受けちゃったからな。とにかく連絡しよ。
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