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【完結】陰キャデブな社畜、知らぬ間に美少女VTuberを救う。   作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑥巻発売中!》


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ざまぁ5.槙村くんとイケメン (27話の槙村視点)

 


「――あ、あれ? 嘘だろ!?」


 我が家の前まで来て、鍵を失くした事に気がついた。


 ど、どこに......会社か!?いや、でも今から戻るか?会社に......けどどうにもならないしな。探しにいくか、仕方ねえ。



「......あ、そうだ。 俺、会社の鍵持ってねえんだ」


 鍵探すのに必要な会社の鍵がねえ。


 どーするよ、これ。明日まで外で過ごすんか?冗談だろ!?

 でも金も無いし、ホテルも泊まれねえぞ。実家帰るか?

 い、いや、オヤジが怖い......くそ、どうすれば。


 その時、記憶の片隅奴の姿が想起された。


 ――は、そーだ!葉月!あいつが最後に会社を出たのをみた......つまりあいつは会社の鍵を持っているハズだ!

 そうだ、葉月から貰えばいいんじゃねーか!さすが俺、頭回るわ~!


 確か金見の家にいってるはずだから、あ、いやこの時間ならもう帰ってるか?

 とりあえず金見の所で聞いてみて、居なければ葉月の家いくか。手間かけさせやがる......チッ。



「......あれ、葉月か?」


 疲れた体を引きずりたどり着いた金見家。そこで目にしたものは、閉まっているハズの美容室で髪をカットしてもらっている葉月の姿だった。


「しかも、金見にカットしてもらってやがる......マジかよ、チッ」


 しかし葉月がいることを確認できた。これ終わったタイミングでインターホン鳴らすか。

 はよ切れ。適当でイイから。



 ......あ?



 カットが終わりに向かうにつれ、槙村にひとつの疑問が浮かび始めた。


 あれ、本当に葉月か?


 目を擦り、再度確認する――が、どうみてもイケメンだ。


 あれは葉月じゃない......うーわ、マジかよ!無駄足やんけ!!

 紛らわしっ!やめろやめろ、そーいうの!てか、金見の彼氏か?

 葉月、葉月って推してたけど、やっぱりイケメンが好きなんじゃねーか......口ばっか!見損なったぜ!


「......しっかし、まじでかっけーなあの男。 あれは好きになるわな......俺と良い勝負か? 女にも見える......中性的なイケメンやな。 チャイナ服のコスプレさせたい、いや、メイドも良いな」



 ......まてよ?あれ......何か引っかかるな。なんだ?




 その時、槙村の記憶の扉が再度開かれた。


『葉月さん、多分イケメンですよ?』


 あ


『雰囲気イケメンじゃなく......』


 あれ、


『顔整ってるし』


 あれ、もしかして......



 カット等が終了し、イケメンはメガネをかけた。あのメガネには見覚えがあった。あの厚みのあるメガネ、あれはそう


「は、はははは、は、葉月......なのかッ!? お前、え、葉月......!!?」


 動揺が極まり、おしっこが漏れそうになる。


 そしていくつもの感情が心を覆っていく。


 《嫉妬》《孤独》《悲しみ》《寂しさ》


 金見と仲良く会話している葉月を眺め、自然とこぼれだす涙。そこにとどめとばかりに、また記憶の底からよみがえるあの日の――



「そういや、あいつ......金見だけじゃねえんだよな」


 そう、あの日俺がサングラス男と警官に終われ夜を明かした日、葉月が俺的No.1美女と仲良く歩いているのを目撃した。

 ......ほんと、くそやろーだわ。葉月は金見もあのNo.1女も全部持ってくってのか?


 まあ、あれほどのイケメン力なら、仕方ない......のか。


 仕方ない。そう自分を納得させようとしたときあることに気がついた――


 いや、まてよ......?あのNo.1美女と歩いてた時、あいつまだイケメンじゃ無かったよな!?

 あの時は葉月が痩せる前。イケメンの欠片もない......ただのブタだったはずだ。


 あのデブデブMAX状態でNo.1美女と仲良くなったと言うことか!?


 にじみ出る冷や汗が頬を伝った。


 俺は、つ、つまり......あのデブデブMAX葉月に......負けて、いたって事か......?


 脚ががくがくと震えだす。おしっこはもうすでに(はぜ)た。もはや社会人としての、大人としてのラインをこえてしまい、色々な意味で絶望する。


 夜の風が冷え、心の傷が沁みた。


「――負けたのか、俺は......くっ、ふぅ......うううっ」


 溢れおちる、大量の涙。ぽたっ、ぽたっ、とアスファルトに吸い込まれ消えていく。


「――大丈夫かい?」


 その時、槙村の背後から優しく声をかけてくれた人がいた。


「......あ」

「君、人の家覗いて何してるのかな?」


 さっきの警官だった。














 ※続きます。









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