32.答えあわせ
朝、職場へ出ると何があったのか知らないけどざわめいていた。その原因はどうやら俺らしく、回りの視線が痛くささる。
しかし肝心の理由に覚えもなく......もしや昨日仕事ミスってたか?
「おはよーございます、葉月さん!」
あ、金見さん。
「おはようございます! ......何かすげー視線キツいんですけど、俺、何かしちゃいました?」
「ん、ああ、多分葉月さんが皆には新人くんに見えてるんですよ」
新人?なぜ?え、「仕事できなすぎてまるで新人だなぁ、おい?」って事?ディスられてる?
じーっとこちらを半目で見てる金見さん。
「え、な、なんですか?」
「......また変な勘違いしてますねえ、その感じは」
「げっ!」
「はぁ、ちゃんと言ってあげましょうか」
にこりと笑みを携え、金見さんは言った。
「葉月さん、とーってもカッコよくなったから、みんな驚いてるんですよ! まるで別人のようだから、新しくきた人かもって!」
......俺がカッコよくなったから。
「そ、それは......俺なんか」
「ネガティブ禁止! 昨日の約束、覚えてますよね? カット代はいいからネガネガしないでくださいねって......葉月さんカッコいいですよ」
「あ、ありがとう......」
くっ、殺せ!殺してくれ!!恥ずかしすぎるだろこれ。こんなの槙村にみられたら何て言われ......
「あれ、今日槙村さんは?」
「ああ、槙村さんならお休みみたいですよ。 理由はよく知らないですが......槙村さんにもNew葉月さんを見せつけたかったのに、ちぇ」
「ちぇ!?」
口をとがらせる金見さん。いや、あいつに見られたら面倒くさいでしょうよ。
「あはは、あ、そーだ、そう言えば小説は順調ですか?」
「順調ですよ。 ストックも七つありますし」
「おお! 七つは凄いですね、頑張ってますねえ」
「はい。 でも、頑張れてるのは金見さんが仕事の業務を手伝ってくれてるからで......最近は体力的にツラいって思うこと少なくなってるんです。 ありがとうございます」
「いえいえ。 役に立ててるなら、私も嬉しい限りです! ラストファンタジアずーっと読んでいたいので、いつまでも元気でいてもらいますよ~」
「あはは、頑張りますね!」
元気貰ってばかりだな、金見さんには。
◇◆◇◆◇◆
『やっほー!』
「お、やほやほ」
いつものように真城さんとの通話が始まる。
『今日は小説どんくらい書けたの~?』
「えーと、1000文字くらいかな......?」
『おお、スゴいね! 頑張った! よーしよし、偉い偉い。 なでなで』
「あ、ありがと」
実際に撫でられてる訳ではないが、なんだかくすぐったい。てか、犬みたいに扱われてね?
『さてさて、今日は通話して早々だけど......大切なお話があります!』
「え、大切な......なんだろう、VTuber関連かな。 案件?」
『え? あ、そうそう! 案件ね、今度ノッテのチョコレートのCMやる!! すごくない!?』
おおお、ノッテのチョコレート!すげえな!コンビニで買ってあげないとな。でもまた太ったら困るから会社の冷蔵庫置いとくか。うん、だれか食うだろ。
『って、違う! それも大切なお話だけど、今話そうとしたのは別にあるの!』
「あ、ごめんなさい......なに?」
『えーと......うん、』
「?」
『嫌なら、良いんだけどね......』
な、なんだ?緊張してきた。何を言われるんだ?
思わず体が構えてしまう。
『......会いたい』
「え?」
『私、葉月さんの顔みたい』
どくん、と全身の血が巡る速度があがったのを感じる。
「で、でも......」
『大丈夫だよ、私も顔見せるし......それに』
「ま、まじ......それに、なに?」
『私、葉月さんの顔知ってるよ』
え、あ。
『前に、行方不明になったお兄ちゃんを助けてくれたの......』
『――葉月さんでしょ?』
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