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【完結】陰キャデブな社畜、知らぬ間に美少女VTuberを救う。   作者: カミトイチ《SSSランクダンジョン〜コミック⑥巻発売中!》


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21.月夜のハーデンベルギア ②

 


「お兄さんとケンカか......」


 兄妹ケンカは結構大変なんだよな。俺も妹がいるからわかる。


『うん......私ね、引かないでほしいんだけど、実は実家から逃げだしてきたんだ』


 ああ、まあ皆色々あるからな。引くとかないけど。


『えっと、それでお兄ちゃんと一緒に二人で暮らしてて。 お兄ちゃんは音楽の仕事をしていて、VTuberとして活動するなら機材とか使っていいって言ってくれてね、それで一緒に暮らさせて貰ってるんだ』


 へえ、めっちゃ良いお兄ちゃんだな。


「そっか......二人は仲が良いのか」

「うん、私の活動のアドバイスもしてくれたり」


 えへへと真城さんが笑う。

 仲の良い兄妹、しかしそのケンカの理由はいったい?......聞いてみるか。


「それで、その......ケンカの理由ってなんだったの?」

『うん。 それは......最近私が「配信してない事」なんだ』


 配信してない事を怒られた......なんで?


『お兄ちゃんが配信少ないのを心配しててさ......あんまり言うもんだから、言い争いになっちゃって』

「ああ、成る程......」


 まあ、確かにアーカイブを見ると、配信で最近のモノは無かった気がする。けど、そもそも、それ、そんなケンカするような事なのか?VTuberって自由気ままに配信やってるイメージだけど......よくわからないな。


「てか、配信ってそんなに頻繁にしないとダメなの? 真城さん動画とかもあげてるでしょ? 別に配信してないからって問題ないような気がするんだけど」

『うーん、それがあるんだよね......』

「と、言うと?」


『VTuberっていうのは如何に見てくれてる人に、身近に感じてもらえるか、だから』


「身近に......」

『そう、身近に......小説だってそうでしょ? 主人公やヒロインが自分と同じなんだって感じたりすると、親近感がわいて興味がでるでしょ?』


 ああ、まあ。確かに。特に主人公はそうだ。読者はみな主人公に自分を重ねる。だから、人間くさい弱さをつけたりする......より読者に共感して貰えるように。


「確かに」

『生配信は本人は映らないけど、人間味がリアルに映るからさ、興味もって貰いやすいんだよ』


 そうか、あらかじめ収録されてる映像にはない......等身大の人間性。


『ゲームとか配信して失敗したり泣いたりしたら、恥ずかしいけれど共感してくれる人がいるの。 「初見ですが、あなたの配信感動しました」なんてって言ってくれる人がいたり』


 そうか、だから......。


『そして、そういう沢山の人達と心が通じて、登録者になってくれる......そうやって他の動画とかも再生数が回り、私たちVTuberはやっと生活していけるんだよ。 だから重要なんだよね、配信』


 成る程。白雪ましろさんの投稿してる動画を見るに、副業でのVTuberではなさそうだし、お金を稼がなきゃならない。

 だからお兄さんは心配なんだろうな。


『でも、なんだか最近疲れてきちゃって......リスナーの皆と話すのは楽しいんだけど、気持ちが重くて。 こんなんじゃ配信しても、と思ってさ』

「そっか......動画の投稿歴みたけど、この短期間でめちゃくちゃ頑張ってるのがわかった。 疲れるの、わかるよ......真城さん偉いよ」

『......っ! あ、う、うん、ありがとう』


 ? ......なんか俺、変なこと言った?


『まあ、だから配信がんばれーってお兄ちゃんは言うんだよね』

「......お兄さんには相談したの? その話はした?」

『してない。 そんな事言って良いのかなって......私、お兄ちゃんの所に頑張るからって言って来たのに。 これ以上甘えたこと言えない......』

「でも......」


 身体を壊してからじゃ遅いだろ。と、そう言いかけてやめた。こんなに本気でやってる人がそれを理解してないわけない。


『どうしたの?』

「いや、なんでもないよ」

『お兄ちゃん、早く機嫌なおしてくれないかな』

「そうだね。 でも、お互いのことを思ってのケンカだからね。 きっとすぐに仲直りできるよ」

『......うん。 ありがとね』


 真城さん、少し落ち着いたみたいだ。良かった。


『あ、私、ちょっと飲み物とってくる......まだ時間大丈夫?』

「うん、大丈夫だよ」

『じゃあ少し待っててね』

「はーい、いってらっしゃい!」

『行ってきます!』


 しかし飲み物を取りに行ったはずの彼女は、文字通り一瞬で帰って来た。


『あ、あの......お兄ちゃんが......』

「ん? お帰り......ん、お兄ちゃんが?」


『失踪してるーッ!!!』


 え、なんて?





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