15.怪物狩人 ①
怪物狩人と言うゲームがある。それはプレイヤーが狩人となり、怪物を刀や双剣、大剣など様々な武器を使い怪物を倒すというアクションゲーム。
倒した敵からは素材が手に入り、強い武器や防具を作り更なる強敵に挑む。最大4人でプレイ出きるハンティングゲームだ。
『と、言うわけで! やりませんか! これ』
通話口から白雪ましろの可愛らしい声が聞こえてくる。
「え、俺もですか? PZ4(ゲーム本体)はあるけど......」
『ならオッケーですね! もし必要でしたらパッケージお貸ししますが』
「あ、いえ、それは大丈夫です。 ......でもVTuber活動に支障はでませんか? 白雪さん忙しそうだけど」
『む。 私は大丈夫ですよ~! 息抜き大事!』
息抜きかぁ、もうずっと小説書いててゲームとかしてないな。社会人になって......いつ辞めたんだっけ。ゲーム、そういや大好きだったよな。
『......あ、そっか。 すみません、なんかはしゃいでしまって。 noranukoさんも執筆で忙しいですよね......考えなしでした』
「いえ、そんな......」
『私、ちょっと最近変なんですよね』
「変?」
『はい。 私、本来は人と話すのが苦手なんです......人見知りのような感じで』
「人見知り......でも生配信で沢山喋ってますよね? ていうか喋りが上手いまであるんですが」
『それはリスナーさんがチャットだからですよ。 通話や対面でだったら、おそらく一言も話せません』
「そ、そうなんですか?」
『そうなんです』
マジでか。あれほど生配信ですらすらと喋り、笑いを生み出してる彼女が。ていうか俺も通話し始めてから楽しくお話させて頂いてますありがとう!
あれ?そういえば、白雪さん最近は生配信してるのか?アーカイブは1ヶ月前に配信したきりだったような。
『だから、変なんです。 noranukoさんとはすごく楽しくお話できる。 こんなに楽しく通話出来たのあなたが初めてで、多分あなたしかいない!』
「俺しか......」
『だからはしゃいでしまったと言う訳です。 あなたの迷惑も考えずに。 ごめんなさい』
人と話すのが苦手......そっか、だからか。同じなんだ。俺と同じ。
だから何となく楽だったんだ。俺もそう、人の視線が気になって気になって、相手がどう思っているのかを常に意識していた。
だから疲れて、人から遠ざかろうと喋らなくなった。
彼女もまたそうなんだろう。だから俺の意図を簡単に汲み取る。
俺は白雪さんと話をして楽しかった。きっと白雪さんも同じ気持ちなんだ。だったら......
「白雪さん」
『はい』
「ゲーム、しましょう!」
『......え、でも』
「俺も白雪さんと話すの楽しいんです。 あなたと通話するまでは笑う事なんてほとんど無かったから......」
『私も楽しいです』
「うん。 それに、俺も息抜きしないとだし。 息抜き大事......でしょ?」
『あ......ふふ、ですね。 では、きちんと時間を決めて遊びましょう!』
そんなこんなで「怪物狩人」をダウンロード。少し時間がかかりそうだな。
そういえば何でこのゲームがしたかったんだ?
「あの」
『はい?』
「そういえば、聞いてなかったんですが」
『はいっ! なんでしょ?』
「なんでこのゲームしたかったんですか? こういうの好きなんですか?」
『あ、前に言ったじゃないですか! 好きなゲームなにって話で、私が怪物狩人とか好きですよって! 忘れられてる!?』
「え、あ、そうだ! ごめんなさい......」
『ぷっ、大丈夫です。 怒ったのは冗談ですよ。 あの時noranukoさん疲れて半分寝てましたもんね......むしろ眠いのにお話してくれてありがとう』
「いやいや、ちゃんと聞いてない俺がわるいです」
『ふふ、真面目さんですねえ~』
「からかわないでください......あ、ダウンロード終わった」
『おー! やったぜ! キャラクリだああああ!!!』
「ういっす」
『男キャラ? 女キャラ?』
「男!」
『じゃあ、私女の子~』
......楽しいな。
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