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100.先の事

 


 ラストファンタジアは発売されたが、かの有名アーティストである太一がライバル視していることもあり、書店からは瞬く間にその姿を消した。


 書店での入手が不可能となるや否や電子書籍版が売れはじめた。そして、それを読み終わり続きの気になる読者はまだ書籍化のされていない、先の話を読みに『なろう』へとアクセスしはじめた。


「......映画化にアニメ化、まだ書籍が発売する前に決定されていたのは、良くも悪くも宣伝効果ばつぐんでしたね」


 担当の白田さんが、うんうんと頷きながら言った。


「は、はい......怖いくらいの売れ行きですね」


「なろうもアクセスが集中しすぎてサーバーがダウンしかけているとか」

「そんなバカな、一人の作品でそれはなくないですか」

「ふっふっふ、どーですかね」


 にやりと笑う白田さん。どういう笑みなんだろうか......。


「しかし、一樹さんの投稿されたラストファンタジアの短編、素晴らしかったですね」

「あ、ども」


「本編では蛇足になりそうな描きにくい所、キャラクター達の家族愛や友情、日常をまとめたお話。 ファンにはたまらないですねぇ」

「そーですね、基本バトルものなので......楽しめたなら良かった」

「ふふふ、とても面白かったですよ!」


 笑顔の白田さん。担当だからっていうのもあるかもだけど、嬉しいな。


 その時、スマホに着信が。――名前は、秋乃。



「すみません、白田さん」

「あ、いえいえ、ではまた!」

「はい」


「......もしもし、こんにちは」

『こんにちは、noranuko。 さっそくですが、素晴らしいですわね。 たくさんの加筆修正をしたようで、さらに読みごたえが出てましたわね』


「あ、ありがとう」


『それでこそ我がライバルですわ! 太一も眉間にシワをよせてましたのよ。 あの能天気があんな顔するなんて......愉快!』


 ええぇーっ、仲間でしょうに。


『ともかく、おめでとう』

「え?」


『あなた方の勝ちよ』


 ......へ?


 俺と雪の勝ち?こんなあっさり認めるの?


「......」

『......』


『いや、なんとかいってくださいまし!』

「あ、いや......そんな......え、勝ちなの?」


 なんだろう、こんな通話で軽くすませるとは思わなかった。いや、別に面と向かって「負けました! すみません!!」とかを求めていた訳じゃないけど......潰すとか言っていたから、何かあるのかと思ってた。


『まあ、でも......私達にも恩恵のある戦いではあったのだし、というかそれを狙っていた部分もあるのだから、まあ、この勝負ありがとう』


「え、あ、やっぱり......」

『気がついていたの? そうね、私達はプロ......稼がなければ生きてはいけないものね』


 他人事ではないからな。俺もこの道で生きていく事を決めた。

 であれば真剣にどう人気を獲得し、仕事へと繋げていくかを常に模索しなければならない。


 だから多分、太一は......雪の事を想って......。


「あの、きいてもいいかな」


 すごく気になっていた。これを避けては通れない、そう思うんだ。

 だから、今聞こう......「先」のために。


『? なんですの?』



「コミケでコスプレしてたキャラクターって、闇魔法少女★ヤミノマギアのシノ?」


『え...... (え、今その質問?)』


「ごめん、スゴく気になっていて......好きなんだよね、俺もヤミマギ」

『せ、正解ですわ』

「ありがとう。 次はメイヤちゃんがみたいかな」


『か、考えておきますわ......』


「ありがとう、助かる」


 よっっっしゃ!!!次のコミケが楽しみじゃて!!!

 カメラでも買おうかな。いや、そんなん撮ってたら雪にカメラ壊されそう......。


『まあ、それはそれとして、いいのだけど、馬鹿弟子......じゃない、雪にもコスプレをさせれば良いのに』

「!!」


 ガタッ!!


「そ、それは......イイね!! けど、してくれるかなぁ」

『私がやらせてみせますわ。 条件付きですけど』

「条件?」

『あなた、聞くところによるとVTuberデビューするのでしょう?』

「ど、どこからそれを」

『春音が得意気におっしゃってましたわよ?』

「筒抜けーーーーっ!!!」


 つーか、いつのまに仲良くなって!?


『まあ、先のことですが、それが落ち着いたらコラボを申し込みますの。 受けてくださいまし』


 コラボって、デビュー前なんだけど。こっちにしか得ないんだけど......こいつ本当、優しいな。口調も前と少し違うし。


「わかった、受けるよ」

『楽しみにしてます』

「こちらこそ楽しみにしてますコスプレ」

『え? ......あ、ええ。 で、では、また』



 これが希望、新たな夢......。



 世界ってこんなに輝いていたんだな。へへっ。






次回で最終話の予定です!お付き合いくださり本当に感謝してます。


告知!


次回作はハイファンタジーを書こうと思います。最強チート、ヒーラー、ざまぁ、ダンジョン等有ります!


もし興味があれば是非。作者ページへとんでいただいて、お気に入り登録していただくと、新作の告知がいくと思うので、良ければ登録してください!

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