9/19
希薄な存在
朝起きたら
無機質な瞳のジェラルディンに
なっていた
夢
のなか
フレームだけの空中回廊を
渡り損なう
ジェラルディン
待っている人がいるのに
昔は
疾走って向こうまで行けたのに
見覚えのある街並が
足の下に透けて
行ってしまう人々の
背中を見送り
立ちすくんだ時
朝に
落ちた
ジェラルディン
夢の続きのように
足の下に
確かな感覚が
ない
⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀