4/19
過眠
毛布の熱のなか
覚醒と睡眠の狭間には
嫌な心持ちを詰め込んだシャボンの泡が
浮いては、ぱちり
浮いては、ぱちり
去来する
今朝忘れた筈の長い長い夢と
今日一日に生産した愛想笑いの回顧録が
枕元に浮上する
なかなか
ぱちり、とはいかない
もういい、今日は店じまい
ロールカーテンを引き下げれば群青
たちまち擬似的な遮光の夜空
完璧な眠り
完璧な眠り
唱えて
毛布の熱を意識する
惰眠という消耗品を
粗悪な菓子のように貪りながら
長い長い夢の奥に
安寧の手掛かりを探す