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海面の光
デュラック・ブルーの海のなか
光るあぶくを見つめている
このまま
深く
深く
沈んで
静謐な海底の闇に
身を横たえたい
それなのに
人魚のように
海面を
海面に昇るあぶくを
見つめている
知っているのだ
きらきらと
ゆらめく水から顔を出し
真っ直ぐに射す光を浴びて輝く術を
そのとき
どんな風に笑うのか
どんなに晴れやかに自分の顔が笑うのかを
知っているのだ
だから
デュラック・ブルーの海のなか
涯の誘惑を足先に感じながら
それでもあぶくを追いかけて
たゆたう光を見上げるのだ