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童話をめくる
時間の隙間に
言葉を目で追うのが速くなった
大きな私
くすんだ甘い香りの
童話のページをめくりながら
ちいさいわたしのてが
大きい私の手に
追い付かない
まだ
ここにいるはずの
ちいさなわたし
色の名前
花の名前
風が笑う言葉ひとつひとつの
景色の中に立っていたわたし
一文字ずつ立ち止まって遊びたがるちいさなわたしの
手を無理矢理に引いて
先へ先へと読まずにはいられない大きな私
褪せた紙の匂いが鼻をくすぐって時折
ちいさなわたしと並んで歩こうと
少し目を伏せる
大きな私




