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    ―メイド的自己紹介





「―――さん、……れなさん!」




煩さで目が覚める。

さっきからしきりに私の名前を呼ぶ人。遺族? いやまだ雛霧は死んでないか。じゃあ両親とか?

だって、私の名前知ってるなんてそうとうだもの。


ぼんやりと目を開ける。

そして真っ先に私の視界に飛び込んできたのは、メイド服に箒を持ったメイド(?)だった。

生でメイドというコスプレや職業とやらを見た事ないから疑ったが、これはまさしくメイドだ。

メイドの他なんと表現していいか分からない。

だけど何でこんなメイドが私の名前を知って尚且つここにいるんだろうか?




「ふふ。起きました? いらっしゃいませ、夢の国へ」

「は!?」

「だから、夢の国なんですよここは」


改めて辺りを見渡してみる。

さっきは眠かったからと、自分自身に言い訳をする。




ありえないだろ!

見渡してみて、周りは全て木。そしてずっと向こうの方には大きい城。

昔、雛霧に見せられた本の挿絵みたいに。


「夢の国って何よ! 病室は!? 雛霧はどこよ!」

「夢の国の説明は特にありませんわ。説明する事がない、と申した方がいいのでしょうか? 実際体験した方がいいかと。 

 そして、病室のある病院はあちらにあります」



雛霧の居場所は教えないのか

ああ、分かったよ。全く分からないけど。

大体何よ。誘拐? 誘拐よねこれ。



「ああ、もう何よこれ! 夢の国って何? 私の見てる妄想?」

「あなた様は妄想なんてするのですか!?」

「しないわよ! というかあんた誰よ!」

「申し訳ございません。私は、レイ=ナナルージュ。覚えにくいですが、どうぞよろしくお願いいたしますね」



……

凄い名前だ。日本人じゃないのか? 見た目は茶髪ロングでどこにもいそうな人だけど!

何で外国名なんだ!?

……さすが夢の国というか。なんというか。言葉に出来ないよ。



「あの、で結局ここで病室はどこへ消えたのよ?」

「知りませんわ、全く。とりあえず貴女はここで生活してもらいますね。とりあえず家探しと行きますか」




―――は!?



一体何が起こってるんだろう。

私は、レイに手を引かれて歩く。


家探しって、私はこの国に住み着かなきゃいけないの?

ちょっと待ってよ私まだ未成年よ

かなりヤバいじゃない。何で生活しなきゃいけないのよ!



「レイ? ねえ、一体どうなってるのよ」

「どうなってるとはどういうことでしょうか?」


どうなってるって……。

だから私がここへ来た経緯よ。でも言っても無駄なんだろう。わかってる。

最悪。

私の人生狂いまくった今日この瞬間。

あの時眠らなければよかったんだ。



―――悔やんでも意味ないか。

よし脱出でもしてみるか。

方法分からないけれど。







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