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復讐者レイジ

 凄まじい光が消えると、戦況が一変していた。


 ということは無く、状況を簡潔に説明すると『シグレットの投げたビンが凄まじい光を放っただけ』でした。


「い、一体何を?」

「ふ、特別に教えよう。『俺は何もしていない』」

「「「え!」」」


 僕とシャムロエとゴルドは声をそろえて驚きました。ただ光らせただけで何もしていないって、一体何のために!


「……シグレット。了解した。『アレ』を実行する」

「頼むぜ」


 マオだけは冷静でした。その目は自信に満ち溢れています。おそらくこの状況を打破する作戦をシグレットから受けたのでしょう。

 ですが……。


「無駄ですよ。ワタクシは今神術も使える最強の悪魔です。貴方達の作戦なんて『心情読破』で読ませていただきますよ!」


 普通の悪魔相手なら問題が無いでしょうけど、レイジは今ネクロノミコンのおかげで心を読めます。作戦なんて意味が……。


 ん?


 作戦を知っているのはマオですよね。


 確かマオに『心情読破』を使うと……。



「ぬああああああああああああああああ! な、な、何ですかこれはあああああ!」



 突然レイジが苦しみ始めました。まさかとは思いますが、アレをやったのですか!


「えっと、シグレット。一体マオに何を言ったんですか?」

「ん? ああ、単純に『帰ったらパムレットおごるから何か作戦を考えてくれって魔術師ちゃんに言っただけさ」


 そして作戦……というか、完全にマオは『パムレット』で頭がいっぱいになり、レイジは苦しんでいるのですね。


「というかシグレットは何故パムレット事件について知っているんですか?」


 被害にはあってないと思うのですが。


「いや、館長から聞いただけさ。ゲイルド魔術国家の検問が心情読破を使った時とんでもないことが起こったって聞いてな」


 だから僕たちの中でマオだけが『パム……転移者』って呼ばれているのですね。


「があ……ああ、ぱ、パム……ぬああ」


 何故でしょう。パムレットっておいしいお菓子ですよね。目の前にとても苦しんでいる悪魔がいるのですが。というか目の前の人って凄く恐ろしい思想の持ち主ですよね。


「……パムレットは世界を救う。今証明された」

「そんな甘い世界とは思いませんけどね」


 そして僕はレイジに近づきました。


「さあ、右手に持っている本のようなものを渡してください。さもなくばまた消しますよ?」

「むう、『音操人』があ……調子にのるなああ!『風=』!」


 レイジは何か呪文を叫びましたが、僕はその音をなぎ払いました。するとネクロノミコンは反応せずにただレイジの中途半端な呪文だけが鳴り響きました。


「なあ! わ、ワタクシの呪文が!」

「余所見は厳禁よ。てええい!」

「があ!」


 潜んでいたシャムロエが顔に強い打撃を与えてレイジはその場で倒れました。


「まずは災厄の元凶となりうる部分は捕まえることができたわね」

「はい!」


 レイジをロープで動けなくし、ひとまず一件落着といったところでしょう。

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