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☆牢屋の住み心地

 牢屋の中ってやっぱり寒いのですよね。こう、隙間風とか特に夜は通気口からの風が地味に体を冷やします。


「……くー」


 こんな状態でも寝れるマオは凄いですね。


 今僕達はガラン王国の城の地下にある牢屋にいます。

 何故か僕とマオは同室。シャムロエは目の届かない別室に移動させられています。どこにいるのでしょう。


「……シャムロエが心配?」

「起きたのですか?」

「……仮眠終わり。マオもシャムロエが心配。ふあーっ」

「ですが、この鉄格子。どうやって探すべきか」


「……簡単。こうすれば良い」


 マオの右手からは微少な光を放ち、鉄格子がぐにゃりと曲がりました。

挿絵(By みてみん)

「おー。凄いですね。って、出来るんですか!」

「……マオ、実は強い」


 にやりと微笑むマオ。いやいや、今自慢しないでください!


「ん? 何か物音か?」


「まずいです! 兵士が来ます! 鉄格子戻して!」

「……むー、戻すのは難しい」

「パムレットあげますから!」


「……マオの本気はまだ一割も出していない」


 単純な性格ですね!


「おいおい、騒ぐなよ犯罪者。ここは平民の集会所じゃないんだぜ?」

「す、すみません」


 鉄格子はギリギリ元に戻してくれました。凄くヒヤッとしましたよ。


「ところでシャムロエはどこかわかりますか?」

「さあな。ただ『レイジ様』が謁見の間に呼び出したし、何か話しているんじゃ無いか?」


 ずいぶんと口が軽い兵士ですね。とはいえ必要な情報は得ました。


「ありがとうございます。では、少し眠ってください」

「へ?」


 少し強めに手を叩きます。


「かっ!」


 パタリとその場で兵士は倒れました。


「……凄い、手を叩いたのにマオには聞こえなかった」

「音を一直線に出したのです。一度マオ達にも使ったことがありますよ」


足止めをした時を思い出しました。そういえばあの時から色々生活が変わったのですよね。


「……あのときは口笛だった」

「はい。そして今回は手を叩く音です。この音を一つにまとめて聴くと、結構耳が痛むのですよ」

「……マオが魔術で眠らせる事も考えたけど、これはこれで良い案。魔力が見えない」

「ではもう一度鉄格子をお願いします」

「……パムレット一つ」


 ずいぶんと高価な取引の提案に僕は笑顔で答えました。


「パムレットを食べているときに演奏をしますよ。とても苦く感じるよう丹精込めて演奏します」

「……人生というのは理不尽の塊。甘いお菓子を苦くする行為は人間としてやってはいけない。だけどパムレット一つは確実に確保しているから我慢する。マオ偉い」


 凄く流暢に話しますね!


「……最初の言語の変換に時間がかかっているだけ。これだけはどうしても時間が必要」


 そう言いつつ鉄格子を再度ぐにゃりと曲げました。


「実はマオって凄い魔力を持っていたりします?」

「……基準が分からない。けど、『フーリエと同等』くらい。フーリエが二、三人いたら勝てないかも」


 フーリエがどれくらいかもわかりませんが、まあ良いでしょう。

 まずはシャムロエの場所へ向かいましょう!

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