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トスカ達 対 悪魔契約者

 前回に続いて戦闘回となります。

「こっちです!」

『ガアアアアアア!』


 フーリエが町の広場におびき寄せました。

 物音に驚き、家の窓から何人かが顔を出しました。


「な、何あれ!」

「ママ! こわいよ!」

「隠れなさい! 危ないわ!」


 その醜い姿をした白い何かを見て、恐怖に脅える声が見えます。


『ガアアアア!』

「おっと!」


 フーリエは料理に使う鉄のおたまで攻撃を防ぎます。というかおたまであの怪物と戦えるって何者ですか!


「……戦ってはいない。守ることで必死」

「そうなのですか! では早く援護を」

「……狙いが定まらない」

「なら足止めをすれば良いよね。フーリエ、行くわよ!」

「シャムロエ様、助かります!」


 キインと鉄のおたまの音が鳴り響き、そしてシャムロエが手足を使って相手の攻撃を防ぎます。


「なっ! トスカ、大変よ!」

「どうしました?」


 急にシャムロエが叫びました。


「間近で見て分かったわ! こいつ『髭の兵士』よ!」

「ええ!」


 暗くてよく見えなかったのですが、まさかあのイラっとする髭の兵士が?


「悪魔契約のいくつかある欠点です。悪魔は気まぐれなので、飽きたらこうして契約者を乗っ取ります!」

「なんでそんな危険な行為が流行っているのですか!」

「わかりませんが、おそらく何かの陰謀があるのでしょう。わあ!」


 キイン。


「危ないわよフーリエ、相手は人じゃ無いのでしょ?」

「そうでした。ではこちらも攻撃に移ります。あわせてください!『クエイク』!」


 ボン!


 そんな音が聞こえました。強い衝撃と共に髭の兵士の足下が凹みます。

 バランスを崩したのか、相手は転びかけています。


「てえい!」


 続けてシャムロエの強めのかかと落としが入り、地面にひれ伏しましたが、急いでその場から起き上がろうとしています。


「マオ! 今!」

「……『光球』!」


 髭の兵士に命中した光の球は周囲がまだ少し暗い所為もあったからか、眩しく見えました。



「があああああああああああああああああああ!」



 そして髭の兵士はその場で大声で叫び、倒れました。


「……命が消えた」

「はい。僕も見えています」


 心臓の音がありません。もう一つ言うと微かに見える筈の血流の音、息の音。全てが消えました。


「『悪魔契約』は契約してすぐに対処すれば間に合います。ですがこの兵士はずいぶんと時間が経ったようですね」

「憎い人でしたが、ここで倒すのも後味が悪いですね」


 そう呟いた瞬間でした。



「何事ですか!」



 後ろを振り向くと、大勢の兵士と中央には黒服の男が立っていました。


「これは、国の宝の兵士が一人死んでいる? 一体どういうことですか?」

「どういう事って、襲ってきたのはそっちよ?」

「それにしては過剰防衛ですね。周囲も穴だらけ。被害調査も行う必要がありますね」

「……どうするつもりよ」


 そして黒服男の冷たい視線と共に僕達の今後を言い放ちました。


「当然、牢屋に入って貰います。……む? もう一人布を全身に巻いた怪しい人もいた気がしますが、とりあえず三人は捉えなさい!」


 そして僕達は抵抗する暇もなく兵士達に捕らわれました。

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